ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計102.9万人のユーザーに活用されています。
この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか? なぜその本が選ばれたのでしょうか? 気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
営業力ナンバーワン! キーエンスが最強の理由とは?
2月に20代~30代に一番読まれたのは『付加価値のつくりかた』(田尻望、かんき出版)です。
卓越した営業提案力が注目されるキーエンス。本書ではキーエンスの技術営業として活躍した田尻望氏が、同社の強さの秘密に深く迫っています。
キーエンスの商品は高い付加価値のあることでも有名です。世界初・業界初を連発し、それを標準化することで他社に大きく差をつけてきました。そのような付加価値の高い商品やサービスは、どのようにして生まれるのでしょうか?
そのキーポイントのひとつが、「価値」を定義すること。同社における「価値」とは、お客様が「価値がある」と感じたサービス・商品であり、「付加価値」とは「お客様のニーズを叶えるもの」を意味します。つまり、お客様が価値からはずれたものは“ムダ”ということです。
たとえば、家電メーカーが「洗浄力、ナンバー1」の洗濯機を開発しても、お客様は容量や乾燥機能やデザインのよさなど、洗浄力以外のポイントを重視していたら、結果は散々なものになるでしょう。先に「価値」を知っていれば、開発コストや営業の労力を無駄に使うこともなかったのです。 最小限の力で最大の成果をあげる、キーエンス式メソッド。ビジネスパーソンなら読んで損はない一冊です。
「誰でもできる仕事」をチャンスに変えるには?
2位は『佐久間宣行のずるい仕事術』(佐久間宣行、ダイヤモンド社)。「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」では総合グランプリ・ビジネス実務部門賞のW受賞をした、今いちばんホットな話題書です。
期待を胸に入社したけど、「毎日雑務ばかり」「やりたい仕事ができない」とため息をついている若手社員は多いもの。今では名テレビプロデューサーと名高く、数々の人気番組を手がけてきた佐久間さんですが、その昔は「誰にでもできる仕事」ばかりを担当させられて、不満でいっぱいだったそうです。
そんな「誰にでもできる仕事」を「佐久間の仕事」に変えたのは、佐久間さんのある“工夫”。小道具に使う「サッカー部の女子マネージャーの手づくり弁当」を用意しろというミッションに、佐久間さんはどう対応したのでしょうか? その答えは、本書で確認してみてくださいね。
仕事をやりがいのあるものにするのは、誰でもなく「自分」です。そしてそれは、ほんの少しの工夫でできるもの。本書にはそのためのアイデアの種が散りばめられています。
「伝わる言葉のつくりかた」がわかる本
3位にランクインしたのは『「言葉にできる」は武器になる。』(梅田悟司、日本経済新聞出版9です。
著者の梅田悟司氏は、「バイトするなら、タウンワーク。」「世界は誰かの仕事でできている。」などで知られる人気コピーライター。一度耳にしたら忘れられない名コピーは、どのように編み出されたのでしょうか?
梅田氏は、説得力のある「外に向かう言葉」は、自分の頭の中にある「内なる言葉」を明確にし、幅と奥行きを持たせ、解像度を上げことで磨かれると言います。
本書では、「内なる言葉」をブラッシュアップする方法として、次の7つのステップが紹介されています。
1.頭にあることを書き出す
2.「T字思考法」で考えを進める
3.同じ仲間を分類する
4.足りない箇所に気付き、埋める
5.時間を置いて、きちんと寝かせる
6.真逆を考える
7.違う人の視点から考える
このプロセスを経ることで、「内なる言葉」の解像度が上がり、人の心に響く「外に向かう言葉」がつくられるのです。
梅田氏は、この「思考のサイクル」を習慣化することを勧めていますが、忙しい毎日、なかなか時間が取れないという人も多いでしょう。とはいえ、このひと手間が明日の仕事に差をつけるのなら、やってみようと思いませんか?
本書では上記プロセスを具体例とともに、丁寧に解説しています。まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう
今回は、メンター的な存在から学び、さらなる成長を遂げようとするビジネスパーソンの姿が見えるようなランキングとなりました。
本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。2月のランキングでは、『君は誰と生きるか』(永松茂久、フォレスト出版)や『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』(柴田重信、講談社)、『説明がうまい人はやっている「数学的」話し方トレーニング』(深沢真太郎、PHP研究所)などがベスト10にランクインしました。
来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。