昨年11月21日にデビュー10周年を迎えたダンス&ボーカルグループ・GENERATIONSが、3月8日に7枚目のオリジナルアルバム『X』(テン)をリリースした。10周年イヤー初のアルバムとなる同作に込めた思いや、10周年を迎えて感じていることとは――。さらにグループが目指す未来について、リーダーの白濱亜嵐をはじめ、数原龍友、中務裕太に話を聞いた。

  • GENERATIONSの白濱亜嵐、数原龍友、中務裕太(左から) 撮影:蔦野裕

アルバムタイトル「X」は、10周年の10という意味だけではなく、これまでの活動を“点”に置き換え線でつないだときに、さまざまな事柄が自分たちの周りで交わっていると気付きタイトルとして採用したという。

――10周年を迎えた2022年はどんな年になりましたか?

白濱:去年は有観客のライブツアーが戻ってきた年。ライブはすごくいい形で終われましたが、ファンの方も非日常を味わいに100%来られていたかというとまだそういう雰囲気ではなかったので、一緒にライブ慣れをリハビリ的な感じでやっていた気がしていて、ファンと一緒に「2年前はこうだったよね」というのを作り上げていった1年だったと思います。

――改めて10周年を迎えた気持ちもお聞かせください。

数原:10周年当日もライブをやっていて、サプライズの動画もあって涙が止まらないくらいうれしい気持ちに。いろんなことがありましたが、あの瞬間はすごく華やかで、この瞬間がずっと続けばいいなと思うくらい幸せな時間でした。同時に、まだ叶えられていない夢が自分たちには数多くあるということも痛感し、さらに貪欲に活動していきたいという気持ちになりました。

中務:10周年のサプライズをやっていただいてうれしかったですし、自分たちだけの人生ではないんだなと改めて感じました。僕たちのパフォーマンスを見て明日も頑張ろうと思ってもらえたり、自分の発言で誰かの人生が変わったり、そういう存在になれていることを改めて感じ、もっと頑張らないといけないと気が引き締まりました。

――アルバム『X』は10周年を迎えた今の思いが込められた作品だと思いますが、それぞれ魅力をどのように感じているかお聞かせください。

白濱:僕はダンス&ボーカルグループで10年続けられるって本当にすごいことだなと感じているのですが、このアルバムには10年の軌跡とともに、まだまだチャレンジして攻めていきたいという思いが込められていて、音楽的にも面白いアルバムになっているのでいろんな方に聴いてもらいたいです。

数原:いつもアルバムはほかのお仕事と並行して制作するのでバタバタすることが多いのですが、今回は一曲一曲みんなでコンセプトなど話し合って時間をかけて作ったので、みんなのやりたいことが詰まったアルバムになっています。それが10周年にリリースするアルバムになったというのは喜ばしいことですし、たくさんの方に届いたらうれしいなと願っています。

中務:このアルバムには、今までのGENERATIONSの集大成と、改めて原点回帰というか、初心に戻ってこれからまたエンタテインメントをGENERATIONSらしく届けていくという思いが詰まっています。そして、初めて7人全員が歌に参加した楽曲があるので、新しい形を楽しんでいただけたらと思います。

――数原さんは「Fiction」と「X ~未来への手紙~」の作詞を手掛けられましたが、それぞれどんな思いを込めましたか?

数原:「Fiction」はおバカな男性の話です。女性の皆さんは「男性ってこういう生き物なんだな」と思いながら聴いてもらいたいですし、男性の方は「わかるな」と思う人もいると思うので、そんな風に聴いていただけたらと思います。「X ~未来への手紙~」は、10周年の集大成のような曲で、10年やってきて楽しかったこともありますが、悔しい思いもいまだにあるので、そんな思いを形にしました。10年後にこの楽曲を聴いたときに、どういう状況かわかりませんが、苦しいときだとするならば救われたらいいなと思っています。

――白濱さんは「NOW or NEVER」の作詞作曲を担当されましたが、どんな思いで制作されましたか?

白濱:この曲は、まだまだ上に行きたいという思い、そして、サビに「番狂わせろ!!」という言葉があるのですが、GENERATIONSとして大番狂わせを起こしたいという思いなどを表現しています。さらに、1stアルバムの楽曲の中から言葉を抜き取って作詞したので、そういうところも感じて楽しんでもらえたらうれしいです。

■本音でぶつかり合って強まった7人の絆

――10周年の中で今の自分たちにつながっていると感じる転機をお聞かせください。

白濱:先輩である三代目J SOUL BROTHERSさんの活躍をそばで見てきたことがずっと刺激になっていて、追いつかないといけないという思いが常にあります。先輩が国民的なグループになっていくのを間近で見ていて、次は僕らがそうなっていくんだという思いで活動しています。

数原:コロナ禍になってみんなで話す時間が増えたことは、グループの転機になったと思います。スタッフの皆さんともコミュニケーションをすごくとるようになりました。コロナ禍で活動ができなくなったときに、「何をしよう」とみんなで必死になって考えて、今まであまりやったこともなかったYouTube用の動画を撮ったり、そういうことを繰り返す中で「You & I」という楽曲に出会えたり、ネガティブなことだけではないコロナ禍に。グループについて真摯に考える時間ができたからこそ気づけたことが多かったです。

中務:何かあるたびに7人で飲んで話し合ったことが大きかったと思います。歯車が合わなくなったときにみんなでお酒を飲みながら本音でぶつかって乗り越えてきました。

――一番印象に残っている飲み会を教えてください。

中務:5年くらい前になりますが、亜嵐くんとメンさん(関口メンディー)がめっちゃケンカして、千葉の別荘を貸し切ってみんなで飲んで、そのときはすごかったですね。ケンカといっても意味のあるケンカで、必要なものだったと思います。

――ケンカの内容は?

白濱:グループに対する取り組み方で揉めました。

数原:5年前頃はよくぶつかっていて、自分たちの立つステージが大きくなったり、人生が変わっていっている瞬間だったので、みんなおかしくなっていたんです。その状態を放っておいたら悪い方向に進んでしまい、だったら本音で言い合ったほうがいいよねと。そうやってちゃんと本音を言い合える関係になって、グループの絆が強まっていったと思います。

白濱:メンバー同士がここまで本音で話せるグループって、あまりないと思います。スタッフを介して話すグループが多いみたいで、GENERATIONSはメンバー同士で話す機会を設けていることをほかのグループに言うと「マジ!?」「すごいね」とびっくりされます。

――GENERATIONSさんはメンバーの皆さんが仲良いイメージが強いですが、円満の秘訣はまさにそこですね?

中務:そうですね。

数原:仲良くする努力は必要で、その努力はいろいろあると思いますが、僕らは面倒くさくても思ったことをぶつけ合うことが仲良くなるためには必要だと気づきました。