JR東日本は7日、JR東日本グループが「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」を中心に進めている浜松町駅から大井町駅に至る「東京南エリア」のまちづくりにおいて、重要な柱のひとつとなる「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」の本体工事に4月から着手すると発表した。開業は2025年度末を予定している。
「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」は、品川区が策定した「大井町駅周辺地域まちづくり方針(2020年)」にて、大井町エリアのまちづくりを牽引する役割を担う開発として位置づけられ、歩行者ネットワーク整備および防災分野等で品川区や周辺地域・事業者と連携し、進められる。JR東日本は大規模複合施設、品川区は新区庁舎等を整備し、ともに大井町エリア全体の新たなにぎわい創出をめざす。
複合施設は、1フロアあたりの賃貸面積が約5,000平方メートルとなる東京南エリア最大規模のオフィス、デッキにより立体的につながり行き交う人々のにぎわいを感じるアウトモール型の商業施設、地域に開かれたラウンジやルーフトップバーが新しい大井町の魅力となるホテル、立地と眺望、利便性を兼ね備えた高品質な賃貸住宅を整備する。この地で100年以上続く鉄道のメンテナンス拠点を身近に感じてもらえるよう、整列する鉄道車両を一望できるデッキの整備や、工場見学のイベントとの連携なども計画されている。
歩行者ネットワークと広場も整備し、駅としながわ中央公園方面のエリアをつなぎ、周辺の高低差に対応した重層的な歩行者デッキの整備により、東西軸のアクセス性を高める。開発街区と南側のエリアをつなぐ東急大井町線高架下に新設する通路とも接続し、まちの回遊性も高める。にぎわいと交流を生み出す場として、複数の広場も整備する。
大井町駅の東口駅舎を改良し、開発街区に直結する改札と出口の新設、コンコースの拡張など実施。駅の北側に、バリアフリーでアクセスし、バス・タクシーなど利用可能な交通広場を整備する。
品川区(新区庁舎やしながわ中央公園)と連携する地域の防災力強化も図り、JR東日本が開発する街区に災害時の広域避難場所となる約4,600平方メートルの広場を整備するとともに、帰宅困難になった人々(約3,000人)を受け入れるスペースを建物内に整備する。
環境にも配慮し、地域冷暖房施設(DHC)の導入等により、一般的なビルと比べてCO2排出量を約50%削減。あわせて環境価値の調達によりカーボン・オフセットを行うことで、CO2排出量実質ゼロをめざす。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランクの取得および東京都のトップレベル事業所の認定もめざすとのこと。