ミュージカル『太平洋序曲』の公開ゲネプロが7日に東京・日生劇場で行われ、海宝直人、廣瀬友祐、ウエンツ瑛士、立石俊樹、ジョン・ワイドマン(脚本)が取材に応じた。※山本耕史、松下優也はスケジュールの都合により会見欠席
同作は近代日本の夜明けを題材に、スティーヴン・ソンドハイムの作詞・作曲により1976年のブロードウェイで初演された『太平洋序曲』を、梅田芸術劇場と英国メニエールチョコレートファクトリー劇場との初の共同制作で創り上げられるミュージカル。物語全体を俯瞰しながら進行する狂言回し(山本耕史・松下優也)、浦賀奉行としてペリーとの交渉に臨み、次第に西洋文化に傾倒していく香山弥左衛門(海宝直人・廣瀬友祐)、流れ着いた米国から帰国し、日本が開国に向かう中で武士道に目覚めるジョン万次郎(ウエンツ瑛士・立石俊樹)らの姿を描いていく。
作品にちなみ、開国=新しく始めたいことについて聞かれると、ウエンツは「僕は筋肉。開国されてます。稽古中にコウジヤマモト(山本耕史)に『ほっそいなあ、ほっそいなあ』と、耳にタコができるくらい言われて」と説明。「ずっと気にしてなくて、逆に(山本に)『でかいなあ』と言ってたんですよ。でもなんか憧れ始めてる俺がいて、2カ月29万8,000円のパーソナル(トレーニング)に、もう申し込みました。公演中は始めないですけど、『やります』と昨日コウジヤマモトに言ったら『それは違う。日々の積み重ねなんですよ、君は』と言われました」と明かす。立石は「いつも干し芋を食べてるけど、それがいつか鶏胸肉とブロッコリーに変わるってことですよね」と確認し、ウエンツは立石の独特な発言に「そうですね。そうします」と苦笑していた。
またキャスト陣はそれぞれ「料理がすごく好きで、稽古中も弁当作ってきたりしてたんですけど、ここまできたら調理師免許なんかとってみたりして、どこかで活かせるタイミングがあれば」(立石)、「ずっとやってみたいのは、スカイダイビング。そろそろ空を飛びたいなと思ってます。ジェットコースターとかも苦手で基本的には怖いんですけど、あれくらい高いと大丈夫なんじゃないかなと思って」(海宝)とテーマについて話す。
廣瀬は「ずっと絵を描いて、デザインをすることが好きでやっていた中で、いろんな作品のカンパニーウェアみたいなもののデザインをさせてもらったりしてたんですけど、今回初めてTシャツとクリアファイルがオリジナルグッズとして販売される。デザイナーとしてのお仕事を開国していきたいので、皆様もしよかったらお話あれば」とアピール。一方で今回のグッズの売り上げ次第で「すぐ鎖国するかもしれないです」と表現し、「うまい」と感心されていた。
話を聞いていたワイドマンは「アメリカでは、俳優にセカンドジョブがあるのはいいこと、シェフもいいアイディア」と褒めつつ、「アメリカで作品出演の契約をするときは、必ず作品が終焉を迎えるまではスカイダイビングはダメというのを書いている」と指摘する。この言葉に、海宝は「『太平洋序曲』が終わってから」と納得していた。