鉄道・運輸機構と相模鉄道、東急電鉄は5日、相鉄・東急直通線の開業(3月18日の予定)を前に、しゅん功開業式典を新横浜駅構内で開催した。新横浜駅から新綱島駅まで試乗会も行われた。
しゅん功開業式典で挨拶した鉄道・運輸機構理事長の河内隆氏は、東海道新幹線や横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインと接続する新横浜駅を「結節点となる駅」、東急新横浜線の新駅として開業する新綱島駅を「地域のさらなる発展につながる駅」と説明。相模鉄道代表取締役社長の千原広司氏は、新線を「ネットワーク性の高い路線」と紹介した。
東急電鉄代表取締役社長の福田誠一氏は、「長い年月をかけて開業することができました」と振り返り、7社局14路線の「たぐいまれな鉄道ネットワーク」が誕生するとともに、「新幹線につながることで日本経済の発展にも貢献すると考えています」と語った。
来賓として、国土交通大臣の斉藤鉄夫氏、衆議院議員で前首相の菅義偉氏、神奈川県知事の黒岩祐治氏、横浜市長の山中武春氏も挨拶。菅前首相が「計画当初から携わってきた」と語ると、山中市長は「菅さんには多大なお力添えをたまわりました」と述べた。黒岩知事は、相鉄・東急直通線の意義を「住民目線に立つ事業」と説いた。
■相鉄20000系の試乗列車で新綱島駅へ
式典の後、参加者の多くが試乗会へと向かった。相鉄・東急直通線の新横浜駅ホームは2面3線となっており、ホーム自体は4番ホームまである。2・3番ホームは中線1本のためのホームである。
4番ホームでは、「ヨコハマネイビーブルー」の相鉄20000系(10両編成)が待ち構えていた。東急線内は東横線直通用の車両として導入され、渋谷駅から先の東京メトロ副都心線などにも乗り入れる。今回は20000系の1号車(20103)に乗ることになった。発車まで待機している間、ホームでは花束贈呈や記念撮影が行われた。
乗車した号車に「女性専用車」の表示が掲げられていた。海老名駅・湘南台駅から新横浜駅を経て渋谷駅・池袋駅、さらにその先の和光市方面へ向かうことが記されている。こちらはすでに新線開業に備えているが、車内に掲出された路線図は開業前のもので、渋谷方面への直通については記されていない。ダイヤ改正で運行を休止する予定の「急行」もあった。
試乗列車は11時ころに新横浜駅を発車した。相鉄・東急直通線は羽沢横浜国大駅から新綱島駅まで円形の複線トンネルであり、上り線・下り線が並行して走っている様子が見える。ただし、試乗会が行われた時間帯、すれ違う列車はなかった。
新横浜駅から新綱島駅まで3.6km。東急電鉄において最長の駅間距離となる。試乗列車は11時5分ころ、新綱島駅に到着した。ここから先は単線並列の円形トンネルとなっている。なお、報道関係者以外の試乗会参加者は、新綱島駅に到着した後、下り線の列車で新横浜駅へ戻っていった。車両は東急電鉄の5050系4000番代(10両編成)だった。