国内外の名車・旧車を取り扱うカレント自動車がキャンピングカー専門店「ガレージカレントCamp」をオープンする。開店前の店舗(商品の駐車スペース)を訪れてみると、同社のイメージとは異なる「ハイエース」ベースの「バンコン」などが並んでいた。どんな店なのか、カレント自動車に聞いてきた。
高品質なクルマをスピーディーに! 価格も強み?
ガレージカレントCampのオープンは2023年3月1日。完全予約制なので、気になるクルマがあればまずは連絡してみよう。オープン時に取り扱うことが決まっているクルマは写真の4台だ。
なぜ、キャンピングカー専門店を始めるのか。どんな特徴があるのか。カレント自動車 執行役員 買取事業部長 兼 販売事業部長の栗田佳祐さんに話を聞いた。
――キャンピングカー専門店を始める理由は?
弊社にはもともと、キャンピングカー買い取りの要望がかなり入っていました。実際に査定も毎日のように行っています。これまでは買い取っても知り合いの業者に譲ったり、オークションに出したりしていたのですが、せっかくのいいクルマを自分たちで売らないのはもったいないので、専門店を立ち上げることにしました。もちろん、キャンピングカー自体の需要が高まっていることも設立の背景となっています。
販売を始めれば、買い取りにもノウハウがフィードバックできます。実際に触れてみれば、どんなキャンピングカーがいいのか、お客様がどんなクルマをお求めになるかもわかってくるはずです。
――キャンピングカーを取り扱う上での難しさは?
キャンピングカーの査定、値付けは難しいんです。もちろん、普通の中古車と同じように年式や走行距離なども見なければなりませんが、どこのビルダーが作ったのか、どんな装備が付いているのかなど、チェックポイントはたくさんあります。弊社は従来から取り扱いの難しい古いクルマを手掛けてきたので、そのあたりのノウハウは十分です。社内の「鑑定士」がしっかりとクルマをチェックし、品質のいいキャンピングカーだけを取り扱っていく方針です。
大切にしたいのは「スピード感」です。キャンピングカーは納車に時間がかかるイメージだと思いますが、ガレージカレントCampでは流通スピードを上げていくことを目標にしています。弊社では古いクルマでもなるべく早くお届けできるようにやってきました。そのノウハウをいかし、スピード感はそのままで新業態に挑戦したいと思っています。
通常だと、中古のキャンピングカーは納車までに1カ月半とか2カ月くらいはかかってしまうものです。新車でオーダーするとなると、ベース車両自体の納期も今は長いですし、それから架装すれば全部で1年半あるいは2年くらいかかってしまうかもしれません。そんなに待っていると、ほかのクルマが欲しくなってしまうかもしれませんよね。
――なぜ、流通スピードを上げられるんですか?
まず、買い取りの際にクルマをしっかりとチェックするので、検品が不要です。オークションで購入した個体だと、届いてからの検品に時間がかかるものなんです。それと、初めからいいものを選んで取り扱うので、買い取ってから販売するまでに、それほど手がかかりません。お店に並べるクルマは完ぺきに動くようにしてから売るので、納車までの時間も短くできます。
――では、こちらのクルマは「欲しい」となったらすぐに手に入るわけですか。
並んでいる4台については、2週間以内にお届けしたいと思っています。状態はばっちりですので。もちろん、コーティングをしたいですとか、タイヤを換えたいといったようなご要望については相談していただきたいと思います。クルマに関することでしたら、何でもやるつもりです。
――どんなキャンピングカーを売っていくんですか?
ターゲットは基本的に首都圏のユーザー様を想定していますので、バンのコンバージョン(バンコン)がメインと考えています。こちらにある日産のクルマは「キャブコン」ですが、レアケースですね。お客様のガレージサイズや首都圏の道路環境などを考えてのことです。買い取りは随時行っていますので、これから商品を増やしていきます。
――栗田さんのオススメの1台は?
こちらのハイエースベースのバンコンですかね。装備がすごくよくて、サイドオーニング(クルマの横からタープが出てくる装備)が付いていますし、上のキャリアにはカヌーが積めます。車内には、マンションのフローリングで使われるような汚れない材質の床が敷いてあります。
――カレント自動車ならではの強みはありますか?
弊社はユーザー様から直接クルマを仕入れますので、価格的なメリットは持たせられると思います。それと、販売するキャンピングカーについては、どんな環境でどんな乗り方をされてきたかがわかっているので、その点も付加価値になると思います。例えばペットは乗っていたかですとか、車内で喫煙していたかといった情報や、個人情報をマスキングした上でですが、どんな人が乗っていたかなどの情報です。
――キャンピングカーはクルマでもあり部屋でもありますもんね。マンションを借りるときでも、前に住んでいた人のことは気になります。
ばっちりクリーニングして、前の人の気配はなるべく感じないようにしています。
――ガレージカレントCampではクルマの架装も手掛ける予定ですか?
現時点では考えていませんが、ゆくゆくは、できたら面白いかもしれませんね。
――カレント自動車には旧車のイメージがありますが、旧車のキャンピングカーはどうですか?
まだ、ユーザー様のニーズがどんなものなのかわかっていない部分もありますので、まずは需要が見込めそうなクルマから始めていきます。
――国産車がメインですか?
くくりがあるわけではないのですが、メインは国産車です。
■Information
「ガレージカレントCamp」
【場所】神奈川県横浜市港北区北新横浜 1丁目7-1
【営業時間】9:30~18:00(完全予約制)
【定休日】毎週火曜日