キャンプブームを背景に巷でキャンピングカーを目にする機会が増えてきた。ベースとなっているクルマはトヨタ自動車「ハイエース」などが多いが、人と違う1台を求めるならクラシックカーで作ってみるのはどうだろう。どんな仕上がりになるのか、素敵なサンプルを見つけたのでご紹介したい。

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    「アソモビ2022 in Makuhari」(会場:千葉県幕張メッセ、会期:8月6日~7日)で見つけた1963年製のベッドフォード「CA」

クラシックカーならでは魅力とは?

アソモビで目に留まったのはベッドフォード「CA」なるクルマだ。

このクルマは英ボクスホール傘下のベッドフォードが1952年から1969年まで生産していた小型商用車。セミキャブオーバーレイアウト構造のボディはフロント部が極めて短く、まるでダックスフンドのようなスタイルをしている。顔はパグ犬に似ている。

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    犬っぽいルックスが現行車にはない愛くるしさを感じさせる

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    搭載するエンジンは1,508cc直列4気筒で、ミッションは3速コラムシフト。小窓のようなボンネットも新鮮に感じる

「CA」のシャシーを使ったキャンピングカーは1960年代から作られていたそう。出展社である晨風(しんぷう)の廣井聖司代表に聞いたところ、展示車両も現地で実際にキャンピングカーとして使われていた車体だという。

あらためて車両をチェックみると、屋根を開閉させるドアモービル社のキットや後部座席のキッチン設備などが確認できた。

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    座席後部にはキッチンを備える

ドアは前の左右と後ろの3ドアタイプ。車内に備えるシートは倒すとフルフラットになる。

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    フロントドアはスライド開閉式。近距離配送の利便性を考慮し、開けたままでも走行できる仕様になっているという

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    赤いシートと赤白のチェック地のカーテンがおしゃれな「CA」の車内

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー

    バックドアは観音開きだ

「CA」の現状を廣井さんに尋ねると、今から50年以上前のクルマだけにイギリスでも個体数は減っているそう。販売価格は為替レートにもよるが、現状で大体500万円ほどだという。キャンピンカー用としてよりも、キッチンカーなどビジネス用としての問い合わせが多いとのことだった。

ちなみに晨風では、輸入したクルマの現状販売もできるし、要望に応じてカスタムしてから販売することもできるそうだ。「CA」ベースのキャンピングカーで出かければ、街でもキャンプ場でも注目を集めることは間違いない。

  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー
  • ベッドフォード「CA」のキャンピングカー
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