マイナビは2月24日、「マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査」の結果を発表した。調査は2月1日~14日、同社運営メディア「HUMANCAPITALサポネット」会員およびマイナビ2024利用企業担当者を対象にWEBで行われた。有効回答数は2,036社(うち上場181社)。

  • 採用予定数(経年比較)

    採用予定数(経年比較)

企業の24年卒の採用予定数は、文系・理系ともに「前年並み」(文系52.6%、理系52.3%)が最多となったが、「増やす」という企業が、文系で8.6pt増の27.7%、理系で6.9pt増の29.8%と上昇傾向にあり、採用意欲の高まりがうかがえる結果に。

新卒採用を実施する理由を見ると、「経営状態の好転・既存事業の拡大」(27.7%、前年比+2.4pt)や「前年に新卒を採用できなかった」(15.6%、同+5.5pt)が2年連続で増加していることから、景気が持ち直しつつあることで経営状態が好転し、採用意欲がより高まっていることや、23年卒の新卒採用に苦戦した企業がその結果を踏まえて採用予定数を多く設定しているよう。

  • 採用環境の見通し(経年変化)

    採用環境の見通し(経年変化)

一方、24年卒の採用環境の見通しについては、文系49.1%(前年比+21.7pt)、理系50.4%(同+19.8pt)が「(非常に)厳しくなる」と回答。理由を聞くと、文理ともに「母集団(エントリー数)の不足」(文系77.9%、理系82.2%)が非常に多く、新型コロナウイルス感染拡大が本格化する以前の21年卒調査を上回る結果に。採用意欲の上昇により人材獲得競争が激化しており、学生からの応募獲得が難しくなっている様子がうかがえた。

  • 応募者へのPRのために導入・改正した、もしくは導入・改正を検討していること

    応募者へのPRのために導入・改正した、もしくは導入・改正を検討していること

また、応募者へのPRのために、初任給の引き上げや基本給の引き上げを実施・検討しているかを聞いたところ、初任給については59.2%、基本給については56.1%の企業が「実施(予定)または検討している」と回答。また、「まだ検討もしていないが必要性を感じている」とした企業は初任給については19.1%、基本給については22.1%となっており、賃金の引き上げに対する企業の関心は高いよう。

24年卒学生への調査では、「給与引き上げの動きがあると企業への関心と志望度が高まる」と回答した学生が68.2%となっていることからも、このような賃金引き上げの動きが、競争が激化している新卒採用活動において重要なポイントになると推察される結果となった。