俳優の二宮和也が、映画『アナログ』(2023年秋公開)の主演を務めることが17日、明らかになった。ヒロインには波瑠が決定している。

  • 左から波瑠、二宮和也

    左から波瑠、二宮和也

同作はビートたけし初の書き下ろし恋愛小説の実写化作。手作り模型や手書きのイラストにこだわるデザイナーの水島悟(二宮)は、自らが内装を手掛けた喫茶店「ピアノ」で、謎めいた女性・みゆき(波瑠)と出会う。自分と似た価値観を持つみゆきに惹かれた悟は、意を決して連絡先を聞くが、なぜか彼女は携帯を持っていなかった。「お互いに、会いたい気持ちがあれば、会えますよ」というみゆきの言葉をきっかけに、ふたりは毎週木曜日に「ピアノ」で会う約束を交わす。週に一度だけ。会える時間を大切にして、ゆっくりと関係を深めていく2人。やがて想いを募らせた悟は、彼女にプロポーズすることを決意する。しかしその当日、みゆきは突然「ピアノ」に現れなくなる。

原作は70歳にして初めて書き上げた恋愛小説で、全てがデジタル化されている世界だからこそ、当たり前の「誰かを大切にする」という気持ちを書きたくなったという。刊行から約1カ月で10万部を突破し、6月20日に集英社文庫から改めて刊行予定。各界著名人からの激賛も相次いだ話題作が満を持しての映画化となる。

二宮が演じる水島悟は、手作りや手書きにこだわるアナログ人間でありつつも、思いをこめた時間を相手に届けたいという信念を持つデザイナーで、二宮が実年齢に近い役柄を丁寧に、伸びやかに演じます。ヒロイン役の波瑠は、今の時代には珍しく携帯電話を持っていない、謎めいた女性・みゆきを演じる。偶然出会い、徐々に仲良くなっていく2人の関係性の変化は、初共演だからこそのリアルさで、デジタルなものを介在しない2人の“木曜限定”の恋を育んでいく。本作はすでにクランクアップを迎えており、2023年秋に公開される。

監督を務めるタカハタ秀太は、二宮とたけしが主演を務めた2015年放送TBS年末ドラマスペシャル『赤めだか』演出も務めており、たけしからの信頼も厚い。脚本は『あゝ、荒野 前編・後編』 (17年)、『宮本から君へ』(19年)、『MOTHER マザー』(20年)など、もがきながら生きる人間の機微を繊細に、時に骨太に描く今注目の脚本家・港岳彦が務める。

二宮和也 コメント

現場の撮影はクリエイティブな日々で、毎日現場に向かうのが楽しい日々でした。

目まぐるしく変化する世の中ですが、いつの時代も”誰かを大切にする気持ち”の本質はとてもシンプルで変わらないのだと改めて気付かされる作品です。
コロナ禍を経たからこそ感じることができる人と会うことの温かさと喜びを、ぜひ劇場で感じていただけると幸いです。

波瑠 コメント

脚本を読ませていただき、とても美しい物語に感動しました。今は会えなくても色々なことを共有できる世の中でとても便利なことですが、一緒にいることでこそ分かち合える喜びに鈍感になってしまったのかもと不安になります。
誰かと愛を育めることは奇跡そのものなのだと、この作品を通して実感しました。
是非、大切な人と観ていただけたら嬉しいです。

タカハタ秀太監督 コメント

「アナログ」が出版されてすぐ、これを二宮和也さんで映画にしたい! と切に思いました。
映画化をご承諾いただけたことは幸甚の至りです。
二宮さんと波瑠さん、初共演のふたりの撮影初日を見て、
まさに〈悟とみゆき〉を感じました。

原作本の帯に「愛するって、こういうことじゃないか?」とあります。
誰かを大切にする、とは何か…。
珠玉のラブストーリーを全ての世代にお届け出来ればと思います。

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