2023年2月23日よりTSUBURAYA IMAGINATIONで独占配信&全国劇場公開される長篇新作映画『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の完成披露試写会が13日、東京・神楽座にて行われ、主演の松本大輝やメインゲストの中村加弥乃らが登壇。テレビシリーズ『ウルトラマンデッカー』最終回の“その後”を描く本作の見どころを語った。

  • 上段左から武居正能監督、中村加弥乃、松本大輝、安田団長、クロちゃん、下段左から、ウルトラマンディナス、ウルトラマンデッカー(フラッシュタイプ)

宇宙浮遊物体スフィアとの戦いが終わり、アスミ カナタがウルトラマンデッカーに変身する力を失ってから1年後、ふたたび地球を襲う侵略者が襲来した。デッカー不在の地球に「ウルトラマンディナス」という新たなヒーローが出現。そして謎を秘めた美女ディナスが、カナタやGUTS-SELECT隊員たちと関わっていく。

上映終了後、MCの呼び込みによって出演者が登壇。アスミ カナタ役の松本大輝、メインゲストのディナス役・中村加弥乃、そして本作のメガホンを取った武居正能監督が熱気に満ちた客席のファンに向かって挨拶した。

松本は「やっとこの映画を大勢のファンの方々にお届けするときがやってきました。ずっと、みなさんがどういう反応をされるかが楽しみでした」と、本作がついに完成の時を迎え、今回いち早く鑑賞したファンがどのように作品を受け止めてくれたのか、気になっていることを明かした。

中村は「この日が来るのが待ちどおしくてたまりませんでした。今は胸がいっぱいです。みなさんからの大きな拍手を聴いて、テンションがグンと上がりました!」とまぶしい笑顔で挨拶し、大勢のファンからの温かい拍手に感激したことを伝えた。

武居監督は「撮影自体はわりと早いうちに終わっていましたが、映画として完成してからまだ1ヶ月くらいの、出来立てホヤホヤな作品です」と、精魂込めて作り上げた「デッカー最終章」がついにお披露目できる瞬間が来たことを心から喜びつつ、コメントした。

テレビシリーズ最終回でデッカーの力を失ったカナタだが、以前と同じくGUTS-SELECT隊員として、仲間のリュウモン(演:大地伸永)やイチカ(演:村山優香)と力を合わせて敵と戦っている。そんな中、ディナスがウルトラマンディナスに変身したことをどう思うか? という質問が投げかけられた。松本は「自分の中で区切りがついていて、たとえデッカーの力がなくても戦っていくぞ!という気持ちでしたから、デッカー・アスミ(演:谷口賢志)のときみたいに嫉妬とかもなくて、ディナス頑張れ!と応援していました」と、テレビシリーズの印象的なエピソードを例に挙げ、新ヒーローの活躍を素直に応援できる心境にあったことを打ち明けた。

子どものころからの大のウルトラマンファンだという中村は、今回ウルトラマンディナスに変身できたことについて「小さいときからずっとウルトラマン(変身)ごっこをしていましたが、それを今回“正式にやっていい”ということで、プロのスタッフさんの力で見事に変身することができました。感動です!」と言いながら目を輝かせ、憧れのウルトラマンに変身できた喜びを改めて噛みしめた。

「映画では、なぜカナタがデッカーに変身できない設定にしたのか」という質問を受けた武居監督は「カナタはデッカーとお別れし、人間として生きていく。テレビシリーズをああいう幕引きにしようとある程度固めた上で、最終章の物語につなげるため、少々手直しをしました」と、意識的に映画でカナタをすぐ変身させないような展開に持っていったことを語った。映画では、詳しい経緯は明かせないもののふたたびカナタがデッカーに変身することが宣伝ビジュアルからもはっきりしており、松本も「気持ちの整理がついていたはずなのに、いざもう一度変身できるとなると、意外にも待ち望んでいる自分がいました。変身できて、やっぱり嬉しかったです」と、また変身することができた喜びを素直に表していた。

ここでMCから、ウルトラマンディナスの変身ポーズを披露してほしいとリクエストがあり、中村が初めてファンの目の前で「生変身」を見せてくれた。松本はウルトラDフラッシャーを差し出し、中村の変身を巧みにサポートした。

中村がウルトラDフラッシャーを顔の前でかざすと、次の瞬間さっそうとウルトラマンディナスが姿を現し、中村との力強いツーショットを決めた。

中村は初の生変身を披露した感想として「映画の変身はいくつかカットを割って撮影していたので、変身のモーションをフルサイズで行なったのは初めての経験でした。上手く行きましたか?」と周りの感想を心配そうに尋ねたが、松本から「僕が初めて生変身したときは、グダグダで間違ってばかりでした。今のは100点満点の出来です!」と太鼓判を押され、嬉しそうに顔をほろこばせた。

続いて、映画でディナスやGUTS-SELECT隊員たちと戦った凶悪宇宙人、その名も「ペダン星人軍団」の声を演じた安田大サーカスの安田団長、クロちゃんがステージにかけつけ、賑やかなトークで会場を盛り上げた。

安田団長が演じたのは、宇宙ロボット・キングジョーを操るペダン星人の声。ペダン星人のパネルを手にした安田は「僕は自転車に乗るのが趣味なので“ペダル”から(役が)来たのかな」と武居監督に尋ねたが、監督は微妙な返事しかしなかったと話し、横にいる監督を苦笑いさせた。ペダン星人役を気に入っていると話す安田は今回ペダン星人Tシャツを着ており、自分の役柄を強くアピールした。

クロちゃんはMCから「クロちゃんさん」と呼ばれるたび「アグネス・チャンさんみたいに言わないで!」とギャグを飛ばすが、あまりウケなかった。クロちゃんが声を演じた宇宙人は、不気味なゼラン星人。本日、クロちゃんは「梅干し」と書かれたTシャツを着ていて、ウルトラマンシリーズとも怪獣・宇宙人とも関係なさそうに思われたが、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)第31話「悪魔と天使の間に…」で怪獣デザインを務めた米谷佳晃氏によると、ゼラン星人は「梅干し」をヒントに考案されたという。実はゼラン星人と梅干しには深いつながりが存在しており、濃いマニアをもうならせるクロちゃんのファッションセンスが際立った。

やがて、本日欠席のHIRO(安田大サーカス)の代わりに、彼が声を演じた宇宙人・クカラッチ星人が突如来襲。出演者を緊張させた。

中村の熱い視線を受けたウルトラマンディナスはクカラッチ星人と激しい格闘戦を展開し、見事取り押さえることができた。

安田は今回の「声の出演」について「子どものころから観ていたウルトラマンシリーズに出られるなんて……と感激しました。ペダン星人が出てきたシーンを見たときは、おお~ ホンマに俺、出てきた!!と大興奮でした」と、大いに喜びを表しながら感想を語った。クロちゃんは「ほんとはウルトラマンの味方になりたかった! ディナスが戦いに慣れていないっていうから、手取り足取り腰取り、教えたかった」とギャグ交じりに話したのだがウケず、直後に気まずい「間」ができてしまった。すると安田が「みなさん、お手持ちの『石』を(クロちゃんに)投げてください!」と客席をあおり、これによって見事笑いを生み出した。

続いて、松本がカナタ、中村がディナスになりきり、安田とクロちゃん演じる宇宙人と戦うアクションシーンの再現が行われた。武居監督が簡単な段取りをつけ、用意・スタートの号令をかけると、それぞれがスピーディかつダイナミックな立ち回りを披露し、客席を沸かせた。カットがかかった後、安田はいきなりカナタ&ディナス側に寝返り、クロちゃんを攻撃。クロちゃんから「さっき、ほんとに踏みましたね!」と文句を言われていた。またクロちゃんは「カナタさんにパンチされそうになったとき、めっちゃ怖かった!」と迫真のアクションを生で体験し、驚いた様子を見せた。これを聞いた松本は朗らかな笑顔と共に「みなさん、とてもよかったです!」と満足げに語った。

ディナスに続き、カナタもウルトラマンデッカーへの変身を……というリクエストに応えて、武居監督、中村、安田、クロちゃんによる「輝け!」の連続コールを受けた松本がウルトラDフラッシャーを構えて渾身のポーズを披露。すると、ウルトラマンデッカー(フラッシュタイプ)がステージに降臨した。

最後の挨拶で中村は「ディナスがどうしてウルトラマンになったかの経緯や、どういう思いでずっとひとりで戦ってきたか、というシーンが見どころです。私、これまで3回観ているんですが、観れば観るほどいろいろな発見ができる映画。ぜひ、2度、3度劇場へ足を運んでほしいです」と、自身も愛着の深いこの映画を、繰り返し鑑賞してぞんぶんに味わってもらいたいと熱く語った。

松本は「映画は最終章と謳っていますが、みんなそれぞれが夢に向かっていく前向きな作品です。まだまだデッカーの物語は終わらないです。将来、何十年か経って『デッカー新作やります』っていうのもアリかもしれないですよ! 僕ら『デッカー』チームも、ウルトラマンの先輩たちのように末永く、輝いていきたいと思っています!」と明るい笑顔と共に挨拶し、『ウルトラマンデッカー』の物語を締めくくる最終章でありながら、未来に希望を見出せるような内容の作品であることを強くアピール。客席のファンたちに、本作の面白さを広め、盛り上げてほしいと呼びかけた。

『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』は2月23日よりTSUBURAYA IMAGINATIONにて独占配信、全国劇場にて同時公開。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー特別編製作委員会