イタリアのフィアットが日本に投入した商用車「デュカト」(DUCATO)は、キャンピングカーのベース車両としても活躍が期待できるクルマだ。先日の「ジャパンキャンピングカーショー2023」(2月3日~6日、幕張メッセ)には、デュカトの正規ディーラーとなった各社が個性あふれる架装を施した自慢の1台を展示していた。一部ではあるが、気になったクルマを取り上げたい。
サイズをいかした多様なアレンジが魅力
デュカトはフィアットプロフェッショナル(FIAT PROFESSIONAL)のベストセラー小型商用車。ステランティスジャパンは昨年、デュカトの日本市場導入を発表し、国内5社と正規販売代理店契約を締結していた。今回のジャパンキャンピングカーショーは、各社がデュカトで作ったキャンピングカーのお披露目の場となったようで、会場にはデュカトベースの個性的なクルマが並んだ。
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ステランティスジャパンが2022年に日本導入を発表したフィアット「デュカト」。ボディサイズは3種類で、最も小さい「L2H2」は全長5,413mm、全幅2,050mm、全高2,524mm。ほかにロングホイールベース版の「L3H2」(全長5,998mm)、ロングホイールベースかつハイルーフの「L3H3」(全長5,998mm、全高2,764mm)を用意する
アールブイ(RV)ランドの展示車両「ランドワゴン タイムレストラベル」(LW TT)。ボディサイズは全長5,410mm、全幅2,050mm、全高2,525mm、乗車定員6人、就寝定員4人、車両本体価格は1,122万円(オプション込みで1,160.94万円)となっていた。このクルマは「ラグジュアリーキャンパー」というイメージで作成したとのこと
アールブイランドの展示車両「ランドワゴン ルーム」(LW ROOM)。ボディサイズは全長5,995mm、全幅2,050mm、全高2,525mm、乗車定員6人、就寝定員4人、車両本体価格は1,045万円(オプション込みで1,104.4万円)となっていた。このクルマは「バンライフ系」と呼ばれるジャンルだそうだ
ナッツRVの展示車両「フォルトゥナ タイプC」。ボディサイズは全長5,410mm、全幅2,050mm、全高2,525mm、乗車定員6人、就寝定員2人、車両本体価格は979万円(オプション込みで1,159.024万円)
トイファクトリーの展示車両「FIAT DUCATO ASObott 5.4」。ボディサイズは全長5,410mm、全幅2,050mm、全高2,520mm、乗車/就寝定員2人(OP+2)、車両本体価格822.8万円(オプション込みで963.49万円)
トイファクトリーの展示車両「FIAT DUCATO Origin 5.4」。ボディサイズは全長5,410mm、全幅2,050mm、全高2,520mm、乗車定員4人、就寝定員2人(OP+2)、車両本体価格1,097.8万円(オプション込みで1,358.588万円)
ホワイトハウスの展示車両「DUCATO×キャメロット ツールラック」。ボディサイズは全長5,410mm、全幅2,050mm、全高2,520mm、乗車定員2人。作業台と工具箱をびっしり積んだプロ仕様の「デュカト」も渋い
最新のデュカトは「キーレスエントリー&ゴー機能」を搭載。キャビンおよび荷室ドアのロック/ロック解除やエンジンの始動はキーなしで行うことができる。電動パーキングブレーキを装備しているので、キャビンはすっきりとした印象。スマートフォンのワイヤレス充電はもちろん、車内には2つのUSB-Aポート、USB-Cポート、電源コンセントを備えている。エンジンは2.2Lの直列4気筒ディーゼルターボ。動力性能は最高出力180PS、最大トルク450Nmだ。
運転席および助手席にはキャプテンシートを採用。これらの座席は180度回転させることが可能で、前後にスライドもさせられる。キャンピングカーとして使用する際には、後ろに設置したテーブルの方向を向いて、テーブルとの距離を調整して腰を掛けることができる。
デュカトの取り扱いを始めたディーラー各社のブースで話を聞いてみると、以下のようなコメントがもらえた。
「デュカトは運送業務やキッチンカーとしての需要も高い」
「国産車でここまでの車格のクルマはないし、スタイリッシュでハイパワーなところもデュカトの特徴」
「国産車よりも高く感じるかもしれないが、例えば素の状態のハイエースにデュカト並みの装備をオプションで付けていけば、そこまで価格は変わらない」
「国産車に比べれば壊れやすかったり、整備がしにくかったりということはあるかも。これから評価が進むだろう」
各社によればジャパンキャンピングカーショーでの反響は上々だったそうで、中には現場で契約が成立したケースもあったという。納期については1年とか1年半という回答が多かった。