FCAジャパンはジープのピックアップトラック「グラディエーター」を日本に導入する。2021年11月30日に受注を開始しており、発売は2020年4月の予定。日本で買えるピックアップトラックといえばトヨタ自動車「ハイラックス」くらいしか思い浮かばないが、なぜジープの新顔が日本に入ってくるのだろうか。

  • ジープ「グラディエーター」

    か、かっこいい…ジープ「グラディエーター」が日本上陸!

日本の一部ファンが歓喜? ピックアップの選択肢が増加

ジープには「ラングラー」という本格オフローダーがあり、日本でも人気が高い。ラングラーの市場規模は日本が米国に次ぐ世界2位だ。グラディエーターはラングラーの兄弟車で、見た目はラングラーの後ろを伸ばして荷台を作り、タイヤを後方に移動させた感じ。2018年11月のロサンゼルスモーターショーで発表になると日本国内でも「カッコいい!」「欲しい!」といった声が沸き上がり、FCAジャパンにはディーラーから「なぜ日本に導入しないの?」との問い合わせが入ったそうだ。

FCAジャパンとしてはグラディエーターを望む顧客の声を重視。さらには、グラディエーターがブランドを象徴する1台になりうると考え、「ラングラーほど売れるとは思っていない」(FCA担当者)ものの、日本導入を決めたという。

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    FCAジャパンが「ジャパンキャンピングカーショー2022」(幕張メッセで2月13日まで)で初公開した日本仕様の「グラディエーター」。ボディサイズは全長5,600mm、全幅1,930mm、全高1,850mm。ホイールベースは3,490mmで、「ラングラー」の「アンリミテッド」より480mmも長い

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    5人乗車が可能な4ドアのボディに大きな荷台が付いている。エンジンは総排気量3,604ccのV型6気筒DOHCを搭載

日本に入ってくるグラディエーターは最上級グレード「ルビコン」の1種類のみ。価格は770万円だ。2022年11月30日の受注開始からこれまでに、約200台の注文が入っているという。

グレードは1つだけだが、ボディカラーは8種類(日本導入リリースには9色と書いてあるが、その後に1つ減ったらしい)で、内装はブラックとブラック/ダークサドルの2種類から選べる、純正のアクセサリーが豊富にそろっているので、乗る人の個性や好みを反映する余地は大きいはず。もちろん、日本ではピックアップトラックに乗っているだけで目立てる。

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    「ルビコン」はジープ最強のオフロード性能を誇るモデルとのこと。前後デフロック機構や電子制御式フロント・スウェイバー・ディスコネクトシステム(悪路走行時にサスペンションストローク量を増加させる)、極低速走行を可能とする専用ローギア付ロックトラックフルタイム4X4システム、マッド&テレインタイヤなど、走破性を向上させる数々の専用装備を備える

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  • 日本仕様は右ハンドル。サブウーハー付きアルパイン製プレミアムスピーカー、レザーシート、前後シートヒーターなど快適装備も充実している

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  • ジープ「グラディエーター」
  • 展示車はいくつものアクセサリーを装着している。例えばソフトトップのルーフや引き出し付きの荷台などだ

これまで、日本でグラディエーターを手に入れるには並行輸入のクルマを買うしかなかったわけだが、これからはFCAジャパンが輸入したものを購入できる。これなら色が選べるし、ジープのサービス網も活用できるし、メーカーによる保証も受けられる。おそらく値段も、並行輸入で入手するより安く済むのでは、というのがFCAジャパン担当者の見立てだ。