JR東日本八王子支社は、「東京アドベンチャーライン」(青梅線青梅~奥多摩間)専用列車として運行される新ラッピング列車「冬編成」のラッピング施工風景を報道関係者らに公開した。「春編成」「夏編成」「秋編成」はすでに運行しており、今回施工された「冬編成」も2月8日に報道公開した後、2月9日から運行開始している。

  • 「東京アドベンチャーライン」新ラッピング列車「冬編成」。ラッピング施工風景が報道公開された

新ラッピング列車4種類のコンセプトは「乗って楽しいわくわくする列車 ~東京アドベンチャーラインで遊ぼう!~」。2019年7月から運行しているラッピング列車のデザインを踏襲しつつ、編成ごとに春・夏・秋・冬のモチーフをラッピング。自然豊かで四季折々の「東京アドベンチャーライン」沿線の魅力を感じられるという。

今回施工した「冬編成」については、車体にフクロウ、ムササビ、ヤマメ、わさび、やまどりのラッピングを20種類(5種類×4パターン)施した。乗務員室後方の乗降ドア横に「東京アドベンチャーライン」ロゴマーク(正方形)、側面ライン下部に「東京アドベンチャーライン」ロゴマーク(長方形)もラッピングしている。

季節の要素を描いたラッピングは、同じ動物・植物でも1両ごとにデザインが異なる。「冬編成」のヤマメを例に挙げると、数の違い(2~4匹)に加え、横から見たものや上から見たものなど、視点の違いもあった。ラッピング列車4種類に共通して、すべての動植物にデザインの細かい変化があるので、運よく遭遇できた場合は探してみてほしい。

  • 「冬編成」7号車のラッピング

  • 「冬編成」8号車のラッピング

  • 「冬編成」9号車のラッピング

  • 「冬編成」10号車のラッピング

2月8日の報道公開では、E233系4両編成(P525編成)の車体側面下部に掲出する「東京アドベンチャーライン」のロゴマーク(長方形)と、乗降ドア横に掲出するムササビのラッピングを施工する様子を見学できた。

まずは「東京アドベンチャーライン」ロゴマークの貼付け。用意されたラッピングステッカーは、裏紙・ラッピング本体・保護シールの3層構造になっている(季節のラッピングは保護シールなし)。先に裏紙をはがして仮留めし、貼り付けた側の端から少しずつラッピングを行っていく。

このとき、裏紙を少しだけめくりながら、スキージー(ヘラのような道具)で少しずつ、気泡が入らないようにラッピングを車体になじませていた。地道かつ大変な作業に見えたが、無事にラッピングステッカーを貼り終えた。ラッピングの表面に貼られていた保護シールをはがすと、「東京アドベンチャーライン」のロゴマークがはっきりと現れた。

  • ラッピングの裏紙を少しずつはがして施工を進める

  • 裏紙を抑えてもらいながら、スキージーでラッピングを固定していく

  • ラッピングが貼り付けられた

  • 最後に表面の保護シールをはがし、ロゴマークの貼付けが完了

ロゴマークを貼り付けた後、ムササビのラッピングの施工に移る。ラッピング上部を車体に仮留めしてから施工を開始し、上から順にラッピングを固定していく。高所作業になるため、施工する社員は脚立にまたがりながら、中央から左右へスキージーを動かし、ラッピングを行っていた。ロゴマークよりも大きなラッピングのため、最後まで少しずつ、注意深く作業する様子がうかがえた。

側面のラッピング施工後、10号車先頭のヘッドマークが掲出された。2人1組で掲出作業を行い、用意されたヘッドマークを前面窓下の凸部に引っ掛ける。位置がずれていないか確認・調整した上で、ボルトでヘッドマークを固定。最後にヘッドマーク表面を覆っていた保護シールをはがすと、「冬編成」のヘッドマークがお披露目された。その際、周囲から拍手も起こった。

  • ムササビのラッピングを仮留めした状態

  • 上から順に裏紙をはがしながら、車体に貼っていく

  • ぴったり貼り付けられ、施工が完了

  • ヘッドマークを前面に固定。その後、保護シールもはがされる

  • 「冬編成」のヘッドマークが掲げられる

  • ラッピング施工に携わった社員らの記念撮影

ラッピング施工風景の取材後、今回の企画に携わった社員にインタビューする時間が設けられ、代表として青梅駅駅員の渡邊真由氏が回答した。新たなラッピング列車の運行に際し、青梅駅、拝島駅、高麗川駅、立川車掌区・立川運転区の社員らでアイデアを出し合ったという。

その結果、1編成ごとに1つの季節のラッピングを行うことになり、季節ごとの色分けや、モチーフとする動植物も社員らで検討した。ラッピングデザイン自体はジェイアール東日本企画が担当。ラッピングの形に関して、丸、四角形、葉っぱの形などの意見が出たというが、「利用者がひと目で見てインパクトのある形が良いのではないか」という方針に固まり、四角形のラッピングを採用したとのことだった。

ちなみに議論中、かつての201系「四季彩」のように、4両編成の号車ごとに四季を割り振るデザイン案もあったが、列車が来たときに毎回異なる編成で楽しんでもらうことを重視した結果、1編成で1つの季節を担当するデザインに決まったという。ラッピングデザインについても、乗車時の楽しみが広がるように、同じ動植物でパターンの変化を付けたと説明があった。

渡邊氏は利用者へのメッセージとして、「青梅~奥多摩間の景色は、電車に乗っている間も季節の移り変わりを楽しんでいただけるところが魅力だと思います。今回、ラッピングでこのような形になったので、そういった点も楽しんでいただきたいと思います」とアピールした。

2月9日に「冬編成」が運行開始したことで、「東京アドベンチャーライン」全5種類のラッピング列車が出そろった。今後、2019年7月から運行しているラッピング列車と、新たに装飾を施したラッピング列車4編成が、「東京アドベンチャーライン」専用列車として運行される。なお、運用上の都合で、ラッピング列車が「東京アドベンチャーライン」以外の区間を走行する場合もある。