これまで深夜のイメージが強かった岩井は、番組スタート前のインタビューで「昼に迎合していくような感じにはならないと思います」と宣言した通り、毎日の「ぽいぽいトーク」でのフリップ出しを筆頭に、持ち前の毒っ気を随所に出しているが、澤部とのバランスで新たなお昼のMC像を打ち出してくれる予感がする。

CMに入るたび観覧客に話しかけていた澤部。序盤ではまだ客が硬かったのか、「遠くから来た人いますかー?」と呼びかけても無反応という寂しい瞬間もあったが、三宅のコーナーが終わって「顔ちっちゃかったね」、主婦のお悩み解決コーナーでは「みなさんも悩まれてる方はぜひ参考にしてくださいね」、岩井の猫コーナーでは「猫派の方どれくらいいますか?」、CSの番組『スパイストラベラー』を紹介すると「みなさん今日は昼カレーね」と、積極的に和ませようとしていた。

伊集院も外観覧に触れた後、スタジオ内の観客に「みんなつくづくイスがあって良かったなと思うでしょ(笑)」、放送開始1時間が経過して「あっという間だね!」と声をかける場面が。神田は「お顔をなるべく覚えたいんです。何回もいらっしゃる方もいると思うので」と話し、岩井、白河も頻繁に外観客を気にかけて手を振る姿があった。

従来の番組のような閉鎖されたスタジオと違い、誰でも覗くことができる開放的かつキャパの小さい空間での生放送だからこそ、内外問わず観客も一緒に番組を作る一員として捉えている印象を受けた。中間地点の提供バックで、演者・客席のみんなで行う体操タイムは、これを象徴する一幕だ。

『いいとも』のようなおなじみのコール・アンド・レスポンスがなく、コロナ禍という事情もあってか、観覧客からの参加感はまだそこまで出ていないものの、最後のCMが明ける直前には、伊集院が「みんなもうゴールだよ!」、澤部も「途中で離脱者も出ず、最後まで完走できました!」と呼びかけ、ほんのりではあるが24時間番組のグランドフィナーレを迎えるような一体感があった。

現状では様々なコーナーを打って試行錯誤しながら、徐々に鉱脈を見つけて番組として修練されていくのかもしれない。だが、洗練された番組が数多く存在する中、今の荒削りな雰囲気も残しながら突き進むことで、独自のポジションを確立してほしい。