近畿日本鉄道とJR東日本は2日、少子高齢化や働き方改革などで社会環境が変化する中、効率的でサステナブルな鉄道経営を維持し、より安全でかつ利便性の高い輸送サービスの実現をめざして、鉄道技術分野での協力を強化すると発表した。

  • 近鉄とJR東日本が鉄道技術分野での協力を強化すると発表

両社は無線式列車制御システムなど新しい技術を導入する際の仕様共通化、開発コストの低減、設備導入のスピードアップに取り組むとしている。

JR東日本グループは、最新技術を広く活用し、利用者視点の輸送サービス、SDGsを意識した鉄道運営、社員の働き方改革をめざして首都圏の輸送システムの変革を進めている。具体的には、ATACS(無線式列車制御システム)を導入し、ATO(自動列車運転装置)の高性能化により、輸送安定性の向上と、利用者の需要・ニーズに応じた柔軟な運行をめざすほか、首都圏主要線区でワンマン運転に向けた準備、将来のドライバレス運転の導入に向けた開発を進めている。

近鉄もデジタル技術の活用により、安全・安定・安心レベル向上とコスト削減の両立を図るため、より安全性・安定性の高い信号保安装置や自動運転の研究を推進している。

近鉄とJR東日本は、2020年6月に鉄道技術分野における覚書を締結し、無線式列車制御システムなど新しい技術を導入する際の仕様共通化などを検討してきた。今後も開発コストの低減や設備導入のスピ ードアップに取り組むとのこと。安全で安定した輸送サービスを提供し続けるため、両社の持つ技術・ノウハウを活用し、協力を強化して取り組むとしている。