伊勢の陶器問屋さん、この入口からみなさんはどんな店内を想像しますか? 4畳半ほどの狭いお店? お店のスグ奥には生活スペースがある? これは動画で見てもらうしかないのですが、実はとんでもない空間が広がっているのです。

入口からは想像も付かない空間が広がっている、伊勢の陶器問屋さん『和具屋』

  • (Twitter Saho.@urbex_34 より引用)

お店に突入したカメラはスルスルと奥へ。4畳半? とんでもない、進めど進めど終わることのない長~~~~~~い空間が続いていきます。

動画の和具屋商店さんがある三重県伊勢河崎の街は江戸時代から問屋街として知られ伊勢神宮に物資を供給する「伊勢の台所」と呼ばれていました。伊勢河崎は、伊勢市の中心を流れる全長7キロ余りの勢田川の中流域両側に広がる町です。

和具屋商店さんのように間口を狭く奥行きのある造りのお店が多いのは、 道や川に沿って一軒でも建物を多く建てるためであるとも、間口の広さで決められる税金への対抗策とも言われています。まさに「鰻の寝床」、というより「龍の寝床」のようなお店の構造にフォロワーたちからは驚きの声が…。

「長っ!!!! 」「ちょっと魔国へ迷ったみたい」「ダンジョンですね」「想像をはるかに超えた奥行きでびっくり! 」「行けども行けども…という感じですね」「スーパー長屋やなw」「なんか夢で行ったことある気がするような不思議で既視感のある場所だなー」などなど。この動画の投稿者であり、都市探検家であるSaho.さんにお話を伺いました。

■都市探検家に聞く

……こちらの建物を訪問したのはいつ、どんなきっかけで?

和具屋商店さんには1月15日に訪問させて頂きました。コロナ禍で長期休業されていましたが、また再開されたと言う情報を耳にし久しぶりに行こうと思い立ちました。

……最初にこの建物に入った時の感想は?

建物の入口を見て分かるように、最初はとても小さい建物だなと思いました。建物に足を踏み入れると、どこまでも奥へと続くその面白さに驚かされました。今でも、陶器問屋さんとして営業されているのですが奥には先祖代々の品や昔の商品が展示されており博物館の様相を広げていました。

……様々な建物などを探訪されていますが、こういう不思議な物件の魅力はどんなところにありますか。

建物の魅力ももちろんですが、私が1番惹きつけられるのはそのバックグラウンドにある歴史です。建物の所有者様とお会いして、思い出話に花を咲かせたり資料を読み解き歴史を調べるのがとても楽しいです。

▼入口からは想像も付かない空間が広がっている、伊勢の陶器問屋さん『和具屋』