日産自動車がニューバランスとのコラボレーションで世界に1台のクルマを製作した。コンパクトSUV「キックス」にニューバランスのスニーカー「327」のデザインを施した「NISSAN KICKS 327 EDITION」は完成度抜群の仕上がりだ。今後、公道も走行するという。両社がコラボした理由とは?
特別仕様車として発売は?
日産自動車とニューバランスジャパンが初のタイアップ企画をスタートさせた。日産のコンパクトSUV「キックス」にニューバランスのライフスタイルシューズ「327」仕様のラッピングを施した車両を「NISSAN CROSSING」(東京都中央区)などで展示するほか、東京と大阪では公道走行も実施するという。
キックスという車名には、英語のスラングで「スニーカー」という意味がある。ここからの発想でスニーカーブランドとのコラボを考えた日産がニューバランスに声を掛けたそうだ。コラボ車両のベースはキックスの4WDバージョン。クルマの特徴は、ガソリンエンジンで発電してモーター(電気の力)で走る「e-POWER」というハイブリッドシステムを搭載しているところだ。
キックスのチーフマーケティングマネージャーを務める日産の岡部龍太さんは、今回の取り組みについて「ニューバランスの327は軽くて快適で、街中ではいても映えるスタイリッシュさがありながらグリップ力も高いので、軽快かつ爽快な走りが特徴のキックス(4WD)とのコラボにピッタリ」としている。
ルーフに精巧な「シュータン」を装着したまま市販するのは難しくても、キックスのニューバランス特別仕様か何かが発売になれば、けっこう話題になるのでは? このあたりについて岡部さんは、「今のところは327仕様のアピールに注力したい」としつつも、「反響を見ながら、企画が出てくれば実現したい」と話していた。
岡部さんによると、コンパクトカーの中でもあえてコンパクトSUVを選択するユーザーは「流行に敏感」「人とは違うものに乗りたい」「実用性一辺倒でクルマを選ばない」といった人が多いそう。コンパクトSUV市場では購入者の3割が20~30代の若年層だという。アンテナの高い若年層にニューバランスとのコラボ車両で訴求したいというのが日産の考えなのかもしれない。