あなたはこの写真を見たことがあるでしょうか。

「三保の女子高生は日本一映える日常を送っていた」というコメントとともにTwitterに投稿されたこの1枚は、静岡県静岡市・三保地区で2021年3月15日に撮影されたものです。

18.6万件もの「いいね」が寄せられたこのツイート。いまも印象に残っているという人も多いのではないでしょうか。

それから約2年、青春のきらめきを放っていた「元・女子高生」のおふたりが、そろって成人の日を迎えました。

あれから二年。 三保の女子高生は 日本一映える 成人の日を迎えた(@SinPicturesより引用)

  • (@SinPicturesより引用)

変わりゆくものと変わらないもの。何気ない日常の尊さが伝わってくるようで、思わず胸が熱くなります。

この写真を撮影したのは、2年前の写真同様、フォトグラファーのうちだしんのすけ (@SinPictures)さん。今回の「成人の日」の写真は、2023年1月8日に撮影されました。

「成人の日」の投稿は、2年前を上回る51.3万件もの「いいね」を獲得(1月12日時点)。リプライでは、「うわぁぁこれ、メチャメチャエモい!」「はい、泣けた。富士山はかわらずみんなを見ている」「眩しい!」と、感動の声が殺到しました。

今回の「奇跡の1枚」はどのように実現したのでしょうか。撮影の経緯やこだわったポイントなどについて、撮影者のうちださんにうかがいました。

「日本一映える成人の日」、撮影者に聞いてみた

――今回の写真を撮影された経緯をお聞かせください。

この写真を撮る前(2022年11月)、右側のモデルさんの成人式前撮りをさせていただいた際に、「同じ場所・同じ構図で撮りたいですね!」と親御さんと話をし、「1人だけになってしまうけど記念になるから」と撮影をしました。

その写真をTwitterにアップしたところ、ありがたいことに5000以上の「いいね」がつきました。

共感していただけることを確信して、「やっぱり2人揃った状態でまた撮影したいな、きっとこのチャンスを逃したら二度とと撮れないだろうな」と強く感じました。そしてモデルさんに「もし都合が合えば、成人式の当日に2人揃った状態で撮りませんか?」と打診し撮影することになりました。

――撮影の際にこだわったポイントはありますか?

Twitterにも投稿したのですが、この写真は2パターン撮っています。「着物撮影らしい動き」と「2年前と全く同じポーズ」の2パターンを撮って比べてみようと決めて撮影に臨みました。

着物らしいおしとやかな写真はわりとすぐに撮れたのですが、もう一方はスマホで何度もポーズを確認しながら撮影したため、特に右側で手を広げているモデルさんは大変だったと思います。振袖を着ているのでさらにハードルが上がっている感じでした。

ポーズ以外にも、信号機の色・車が通っていないタイミング・天丼屋さんの看板や道路標識とモデルさんの位置関係など、確認しなければならないポイントがたくさんあるので大変でした。

――澄んだ空と冠雪した富士山も美しいですね。

ポーズやタイミングは、ある程度こちらでコントロールできるのですが、天候ばかりは本当に運次第。僕は普段から「晴れ男」を公言しているのですが、この日も強運を発揮しました。

富士山の積雪量の違いについては撮影した季節が違うので仕方ないですが、富士山にかかっている雲はほとんど同じ形だったので、奇跡が起きたと思いました!富士山にも大感謝です。

――今回の投稿には大きな反響が寄せられています。

「多くの人に共感してもらえたらいいな」と思い投稿したのですが、想像以上の大反響をいただき本当に驚きました。

特に「感動して泣けた」というコメントが多く、自分も泣きそうになりました。成人の日に投稿したこともあって、皆さんの新成人を祝福する気持ちがここに集まったのだと思いました。今も感謝の気持ちでいっぱいです!


「#夏色フォトグラフィー」と題して、地方の女子高校生の日常のきらめきを切り取った写真を多数発表されているうちださん。ノスタルジックな作品の数々を見れば、なつかしさで胸がいっぱいになる人も多いはずです。