三菱自動車工業は「東京オートサロン2023」で新型軽自動車「デリカミニ」を初公開した。最近の三菱車とは一線を画すキュートな顔つきでありながら、兄貴分の「デリカD:5」ゆずりのアウトドア感も併せもつ期待の1台だ。実車を取材してきた。

  • 三菱自動車「デリカミニ」

    三菱自動車が「東京オートサロン2023」(幕張メッセで1/15まで開催)で初公開した「デリカミニ」(本稿の写真は撮影:原アキラ)

「次の時代の、次の冒険を」をテーマとする三菱自動車工業のブースで最も注目を集めたのは、実車が初披露となった「デリカミニ」だ。伝統ある「デリカ」の名前を継いだ「ちっちゃいデリカ」は、2023年5月に発売予定の軽モデルである。

ちなみにデリカの歴史を振り返ってみると、初代は1968年に商用車としてデビュー。1982年に最低地上高を上げて登場した2代目「デリカスターワゴン」は、4WDオフロードミニバンという唯一無二の世界観を作り上げ、たくさんの遊び道具と家族の遊び心を運び続けるアウトドアギアとして人気モデルになった。3代目は1986年、4代目は1994年に登場。2007年には5代目「デリカD:5」がデビューし、2019年に大幅なマイナーチェンジを果たしている。

その力強いスタイリングを受け継ぎながら、軽のスーパーハイトワゴンとして登場したのが今回のデリカミニだ。遊び心ただようフロントの半円形ライトによる可愛くてワイルドな顔つきが最大の特徴で、このあたりは同じテイストを持つ英国の本格モデル「ランドローバー・ディフェンダー」と似ている、との声も多く聞かれた。

  • 三菱自動車「デリカミニ」
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  • 展示車のボディカラーは「アッシュグリーンメタリック」

実車を見ると、やっぱりディフェンダーをイメージさせる仕上がりだ。三菱SUVのアイコンである「ダイナミックシールド」をモチーフとしたフロントバンパーとリアウインド下側には、大きく立体的な文字で「DELICA」のロゴが描かれている。オーバーフェンダー風の処理が施されたボディサイド、前後左右の下部にあるアンダーガード状のデザインなど、タフさと可愛らしさを上手にミックスしたエクステリアは来場者の注目を集めていた。

  • 三菱自動車「デリカミニ」
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  • 都会からアウトドアレジャーまで、あらゆるシーンになじむというのが三菱自動車の推しコメントだ

デリカミニのベースになっているのは軽ハイトワゴンの「eKクロススペース」だ。ボディは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,830mm、ホイールベースは2,495mm。ターボと自然吸気のマイルドハイブリッド仕様があり、価格は180万円~225万円を予定しているという。ライバルとなりそうなのはスズキ「スペーシア ギア」やダイハツ工業「タント ファンクロス」などだ。

開場にはアウトドアブランド「Coleman」(コールマン)とのコラボ車両「デリカミニ×コールマン」(デリカミニ ミーツ コールマン)も展示されていた。ボディはコールマン製品とマッチするグレーとベージュを合わせた「クレージュ」カラー。リアドアにはコールマンを象徴する大きなランタンのマークが描かれ、前後バンパーのホワイトレターロゴ、マッドフラップ、ルーフキャリアなど、アウトドアでの使用にぴったりな純正用品を装着している。ベッドキットを搭載すれば車中泊まで可能になり、サイドストレージパネルを装備することで収納力もアップしている。

  • 三菱自動車「デリカミニ」
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  • コールマンとのコラボ車両「デリカミニ×コールマン」

  • 三菱自動車「デリカミニ」
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  • ベッドキットで車中泊に対応

もう1台の展示車両「デリカミニ SNOW SURVIVOR」(スノーサバイバー)は、雪道を走るデリカのイメージを車体に落とし込んだ仕様。リフトアップしたホワイトのボディには等高線をモチーフにしたグラフィックとスノーカモフラージュが描かれている。主な装備はフロントガードバー、ルーフキャリア、リアラダー、オールテレインタイヤなど。インテリアにはコールマンモデルと同じベッドキットとサイドストレージパネルを装着していた。

  • 「デリカミニ SNOW SURVIVOR」

    「デリカミニ SNOW SURVIVOR」