小学生バスケットボール大会「ファンジャンプ! バスケットボール さわかみチャンピオンシップ2022」が、2022年12月27日(女子)・28日(男子)の2日間にわたって千葉ポートアリーナで開催。女子では多摩フェアリーズ(東京)、男子では東川口ミニバスケットボールクラブが優勝した。

監督やコーチによる「試合中の指示禁止」や「補欠ゼロ」の特別ルールを取り入れた新時代のミニバス大会。今回は12月27日に行われた女子大会の模様をレポートする。

「子どもの主体性を促すルール」でチーム力を競う

体格差や運動能力に差がでやすい小学5・6年生を対象に、子どもの成長を後押しすること、チーム競技(ワンチーム)の良さを知ってもらうこと、子どもの主体性・自主性を伸ばすこと」を目的に開催された本大会。

身長や運動能力に関係なく、チーム全員の力で勝利を目指す真剣勝負の試合を通じて選手たちの自立を促すという主旨に基づき、本大会には3つの特別ルールが設けられた。

1つ目の前半・後半両方に同じ選手が出場することができない「全員均一プレールール」は、ハーフごと5人固定メンバーで試合を行うというもの。出場選手は5・6年生で最大15人までのエントリーが可能で、5・6年生で10人に満たないチームのみ4年生の参加も可能とした。2つ目は「全員得点加算ルール」の採用だ。ハーフごとにゴールを決めた人数によって、前半後半で最大12点が加算されるというルールで、3人ゴールを決めたら+1点、4人で+2点、5人で+3点が加算される。

最後は子どもたちだけで作戦などを考えて戦う「子どもの主体性を促すルール」。子どもたちによるベンチからの応援やアドバイスは可能だが、監督やコーチが怒ることは禁止に。タイムアウト・ハーフタイム以外のベンチからの指示も禁止とした。

開会式には、日本代表や千葉ジェッツで活躍した元プロバスケットボール選手の伊藤俊亮氏がスペシャルアンバサダーとして登場。

「今回、子どもたち主体で動いてもらうバスケットボール大会をつくりました。チームが一体となって戦うルールになっていて、新しいチャレンジになりますので、みんなと一緒にこの大会をつくっていきたいと思います。みんなが頑張るところを見るのをすごく楽しみにしています」と、選手たちにメッセージを送った。

勝ち負けを重視する勝利至上主義ではなく、競技の楽しさやチームプレーの大切さを知ってもらい、子どもたちの自主性を育むことに重きを置く本大会。その特別ルールの考案には、同氏の意見やアイディアも取り入れられているという。

「まだまだ自分はバスケ下手だなって思っている子も全然気にする必要はありません。君たちの成長はもっともっと先にあります」とは、本大会の主催者であるカイエントの足達伊智郎社長。エンターテインメントの力で世の中の課題を解決するベンチャー企業を掲げる同社だが、足達氏は次のようにエールを送っていた。

「今日は一人の個人の力よりもチーム力、みんなの力で勝つというチームが有利になるルールです。今日は大好きなバスケを大好きな仲間と力を合わせて、優勝を目指し頑張ってください」(足達氏)

24チームの枠に200チーム以上が応募、関東圏外からの遠征も

大会参加料は無料で2022年6月25日~7月31日の事前申し込みでは、全国から男女合わせて200チーム以上の応募があり、開催前からバスケ界では非常に関心度の高い大会とった。ミニバスチームの男女それぞれ24チームが出場し、関東圏外からは秋田県の能代ブルーインズ(男子)、三重県のあがたミニバスケットボールクラブが遠征した。

1試合に出場するチーム構成は小学5年生、6年生を中心に1チーム10人(足りない場合は4年生も参加可能)。大会のための特設チームは参加不可で、2022年6月時点でチーム設立から1年が経過していることを条件とした。

試合形式は予選リーグ3試合と準々決勝が5分ハーフの前半・後半制、準決勝と決勝が6分ハーフの前半・後半制で、予選リーグは勝ち点制で順位を決める。

各予選リーグ1位の6チームに、2位の上位2チーム(※3試合総得点数で上位2チームを選出。同点だった場合は得失点差により選出)を加えた上位8チームが、決勝トーナメントに進出した。

準々決勝・準決勝の実施中、大会会場の別コートでは、予選敗退チーム16チームを4つのグループに分けて、「千葉ジェッツアカデミーバスケクリニック」も開催。JBA公認B級コーチの田代将也氏が各グループ30分ほどかけ、パスやドリブルなどで意識するポイントや練習方法などを伝授した。

予選リーグを勝ち抜き、決勝トーナメントに勝ち進んだのは「多摩フェアリーズ(東京)」「大沢スマイリーズ(埼玉)」「冨貴島MBC(千葉県)」「あがたミニバスケットボールクラブ(三重)」「湖西ミニバスケットボールスポーツ少年団(静岡)」「花園MBC(千葉)」「レッドローズ(千葉)」「鷺沼MBC(千葉)」の8チーム。

決勝戦では、「多摩フェアリーズ」が32-7で「湖西ミニバスケットボールスポーツ少年団」を下して優勝を果たした。

優勝・準優勝の2チームには船橋アリーナで2月11日に開催される千葉ジェッツの公式試合(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦)の観戦へ招待。試合開始前の船橋アリーナのコートで千葉ジェッツアカデミーのクリニック受講の機会が提供される。

  • 多摩フェアリーズ

  • 東川口ミニバスケットボールクラブ

各試合、会場に響く子どもたちの歓声やタイムアウトでは子どもたち同士が集まって話し合う姿が印象的だった本大会。閉会式では優勝準優勝チームの表彰式が行われ、カイエント足達氏は次のように関係者へ感謝を述べていた。

「子どもの成長を目的とした大会をやってみたいと、本大会の特別協賛のさわかみグループのさわかみ会長にご相談させていただき、快く応援していただいてことでこの大会をできました。アンバサダーの伊藤さんにも企画段階から一緒に入っていただき、伊藤さんの細かいアドバイスのおかげで、子どもに寄り添った大会ができたと思います。そして、千葉ジェッツの全面協力なくしてはこの大会はできませんでした。今後も子どものための大会ができたらいいなと思います」

優勝チームの「多摩フェアリーズ」には優勝特典として、2月11日の千葉ジェッツ対名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦の試合のハーフタイムで改めて表彰式が執り行われる。また、選手の試合前シューティングサポートを用意するほか、オリジナルのチャンピオンTシャツもプレゼントされる予定だ。

閉会式の後は男子・女子で約700人の出場選手全員に参加賞もプレゼント。子どもたちはワンチームで仲間と一緒に勝利を目指す、普段とはひと味違う大会を存分に満喫したようだ。