アニメや漫画、映画などで「モーマンタイ」という言葉を見たり聞いたりしたことはありますか? 「無問題」という表記を見掛けたことがある人もいるかもしれません。

本記事ではモーマンタイの意味や使い方、何語なのかや、日本で広まった由来などをわかりやすく解説します。昔はよく使っていたけど今も使えるのか、死語ではないのかという疑問にもお答えします。

  • モーマンタイとは

    モーマンタイの意味や使い方、現在でも使えるのかや由来などを紹介します

モーマンタイの意味とは? 何語なの?

「モーマンタイ」とは広東語(かんとんご)で、「問題ありません」「大丈夫ですよ」などの意味です。

日本語としても、親しい間柄において「これ、お願いしてもいい?」や「疲れてない? 大丈夫?」などに対し「モーマンタイ!」といった形で、スラング的に使用することがあります。これは、承諾や「うまくいっている」ということを表しています。

漢字では「無問題」の表記が有名だが、本来は「冇問題」と記載する

モーマンタイは、日本では「無問題」と記載されることが多いですが、本来、広東語の繁体字では「冇問題」と記載します(簡体字では「冇问题」)。「冇」は「無い」という意味です。

日本でよく「無問題」と記載されるのは、「冇」が広東語特有の漢字であり日本語で変換するのが難しいことと、後述する映画の影響ではないかとされています。なおスマホやパソコンで「モウマンタイ」と打ち込むと、「無問題」と変換候補が出てくることも多いほど、日本語としても浸透した表現のようです。

広東語はどこで話されている言葉?

広東語とは中国語の中の一つの方言で、中国の南の方にある広東省や、香港、東南アジアの大陸部などで話されている言語です。

広東語のモーマンタイにあたる中国語の標準語は、繁体字で「沒問題(メイウェンティ)」(簡体字では「没问题」)です。漢字も読み方も違うので、中国語を話すけれど広東語は話さないという人と会話するときは、気を付けましょう。

日本で広まった由来は1999年公開の映画『無問題(モウマンタイ)』?

1999年には、香港と日本の合作の『無問題(モウマンタイ)』という映画が公開されました。人気お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史さんが主演を務めた、アクションコメディー映画です。

あらすじは、恋人から突如別れを告げられた香港映画オタクの青年(岡村隆史さん)が、恋人を追って香港へ渡り、スタントマンとして活躍するかたわら、ひょんなことで知り合った密入国者の恋人探しを手伝うというもの。

この映画は話題を集め、2002年には続編となる『無問題2』も公開されています。映画がきっかけとなって、「モーマンタイ」という言葉が日本でも広まったのではないかという説もあります。

モーマンタイは死語? 呪術廻戦やデジモンなどのアニメにも登場

前述のように「無問題」という映画が公開されたのが1999年のため、「モーマンタイ」という言葉はもう死語なのではないか、といわれることもあります。

しかしモーマンタイはその後も、アニメ『デジモンテイマーズ』や漫画『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』などの作品に登場しており、今でも使用されている言葉ともいえます。しかし、世代や人によっては通じないこともあるので、注意して使用しましょう。

モーマンタイはアニメ『デジモンテイマーズ』に登場するテリアモンの口癖

2001年~2002年に放送されていたテレビアニメ『デジモンテイマーズ』では、テリアモンというデジモンのキャラクターがモーマンタイを口癖として使っています。

テリアモンの性格は非常にマイペースで楽観的なため、「気にするな」「気楽にいこう」という意味のモーマンタイが口癖というのもぴったりですね。ちなみにパートナーのリー君(李健良)は香港人と日本人のハーフです。

漫画・アニメ『呪術廻戦』では主人公の虎杖悠仁も使用

2018年3月から『週刊少年ジャンプ』で連載中の『呪術廻戦』。人間の負の感情から生まれる呪いと、呪いを呪術で祓う呪術師との戦いを描き、2020年10月からはテレビアニメも放送され人気を博しています。

この『呪術廻戦』の主人公、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)も、作中でモーマンタイを使用しています。

あのちゃんによるアニメ『チェンソーマン』のエンディングテーマにも

『チェンソーマン』は第1部が2019年~2021年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載され、そして第2部が2022年から『少年ジャンプ+』にて連載中の漫画です。

悪魔をその身に宿し、デビルハンターとして悪魔を狩る少年・デンジの日々を描くダークヒーローアクション。

2022年よりアニメ化され、その第7話のエンディングテーマはあのちゃんことanoさんの『ちゅ、多様性。』です。

こちらの楽曲内にも、モーマンタイが登場しています。

下記の動画の25秒、そして1分22秒辺りのところで、「無問題 破滅してみて」「我愛你 無問題」と歌っているのが確認できます。

モーマンタイの使い方と例文、注意点

モーマンタイは前述のように、「問題ありません」「大丈夫ですよ」などの意味で使われます。下記の例文を参考に使い方のイメージをとらえましょう。

  • 「明日の朝、7時に集合でいい?」「モーマンタイ!」
  • 「宿題が多過ぎて大変…。」「モーマンタイ! 一緒にがんばろう。」
  • 「そっちの進捗はどう?」「モーマンタイ! 順調だよ。」
  • 「このプレゼント、高かったでしょ?」「喜んでほしかったからモーマンタイ! 気にしないで。」

ただし、日本語として使用する場合は砕けた表現なので、目上の人に使ったり、オフィシャルな場で使用したりするのは避けた方が無難でしょう。親しい間柄の人との会話で使用し、また前述のように意味が通じない場合もあるので留意しましょう。

無問題(モーマンタイ)とは中国語(広東語)で「大丈夫」を表す言葉

モーマンタイとは何かや、その由来、現在も使われているのかなどについて説明しました。もともとは広東語なので、香港出身など、広東語を使用する人と話す機会があれば使ってみるのもいいかもしれませんね。

ただしメッセージなどのやりとりの場合は、「無問題」だと通じないかもしれないので、表記には気を付けましょう。「冇問題」(「冇问题」)と記載するといいでしょう。