今年4月に結成25周年を迎えたお笑いコンビ・トータルテンボス(藤田憲右、大村朋宏)にインタビュー。全国ツアーを大切にして毎年開催してきた2人だが、コロナウイルスの影響で2年間開催できず。今年、3年ぶりに「トータルテンボス25周年全国漫才ツアー2022『ちりぬるを』」を開催し、ファンの生の反応に喜びを感じる一方で、コロナの影響も痛感しているという。25周年を振り返るとともに、「また0からのスタート」として改めて生のお笑いの良さを発信していくと決意を新たにした思い、そして今後について話を聞いた。

  • お笑いコンビ・トータルテンボスの藤田憲右(左)と大村朋宏 撮影:加藤千雅

――25周年を迎えた心境をお聞かせください。

大村:「もうそんなに経ったの?」というくらいで、まだやれていることへの感謝と、これからもずっと変わらずにやっていきたいという気持ちです。

藤田:25周年と言われると「そんなやったんだ」というくらい。サラリーマンの方もいちいち10周年、15周年って意識しないと思うんです。その感覚ですよ。うちらには定年がないくらいで、勤続25年のサラリーマンの方もいますし、皆さんやられていることですから。

――20代前半でコンビを組んだとき、こんなに続くと思っていましたか?

大村:何も考えてなかったですけど、変わらずこうやって芸人だけで25年やれていることは感謝しています。

――『M-1グランプリ』に挑戦し続け、出場資格がなくなったときには目標を見失った時期があったそうですが、それはどういう風に乗り越えたのでしょうか。

藤田:あのときは視野が狭かったというか、今のほうが選択肢がすごく増えている。あの頃は発信の方法がライブとテレビしかなかったですが、今は普段のライブも、ツアーもあるし、YouTubeでもラジオでも発信できるし、テレビもたまに呼んでもらっているし、表現の場がいっぱいあるのはありがたいなと。いろんな面を出せているのでストレスもあまりないです。

――かまいたちさんは「お金を稼ぎたい」という思いが原動力だとおっしゃっていますが、お二人の原動力は?

2人:楽しくやりたい。

大村:それによってお金がもらえるなら、なおいいでしょうけど、お金優先ではないかな。楽しみたいですね。

藤田:昔は、自分たちに合ってない仕事も全部断らずやっていたと思いますが、今はあまり乗り気ではない仕事は断るようにしています。楽しくやれる仕事じゃないと、お互いによくないと思うので。お金優先だとそれすらもやるんでしょうけど。

――楽しめることが大事ということですが、その中で、全国ツアーなどで笑いを全国に届けることに力を入れられている印象です。

藤田:そうですね。そこは変わらず。今は全国に届ける手段もいろいろあり、YouTubeだけ見ている人、ラジオだけ聴いている人、ライブだけ見ている人というように、人それぞれだと思いますが、ラジオを聴いて面白いと思ってライブにも行ってみようとなってくれたらいいなと。いろいろ手を出すのは間違っていないと思っています。

大村:ラジオやYouTubeでも笑いを全国に届けることはできますが、時代は変われど生のほうが面白いというのは不変だと思うので、生で届けるというのは特に大事にしていきたいです。

藤田:ジャルジャルはYouTubeでネタをやっていて、ライブでネタを見たくなる感じがうまいなと思いますが、うちらはYouTubeでネタは配信していなくて、ライブでの特別感を味わってもらいたいと思っています。