黒い羽や光るくちばしが特徴的なハシブトガラス。クールな見た目や行動から、「なんとなく近寄りにくい」「かっこいいけど、ちょっぴり怖い」といった印象を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

スタイリッシュなカラスの可愛らしい映像をTwitterに投稿したのは、鳥類のイラストやグッズを制作しているでこぱち商店(@decop_WC)さん。アピールを続けるキュートなカラスの姿をシェアしたツイートに、11月24日時点で12.3万件を超えるいいねが集まっています。

かわいすぎて見るのしんどい(ガン見) (@decop_WCより引用)

右のカラスに羽繕いされている左のカラス。羽繕いがひと段落すると、じっと右のカラスを見つめます。

続いて、首をかしげたお辞儀の姿勢に。相手が羽繕いをしてくれないと分かるや否や、さらにお辞儀の角度は深くなり…、

くちばし、地面に刺さってません…?

羽繕いを待ち続けるカラスの様子を紹介したこちらの動画。ツイートに対する反響の中には、「カキカキ待ち…可愛い」「撫でて…って言ってますね」など、健気なカラスの姿に心を射抜かれた方の声が多数みられました。

また、リプライには、動画を撮影したでこぱち商店さんご本人がカラスの生態を解説したツイートも。そこで、カラス愛あふれるでこぱち商店さんに、今回のカラスの行動に関する分析や、鳥類を観察する楽しさなどに関するお話を伺いました。

ツイ主さんに聞いてみた

――こちらのカラス、何をしている状況なのでしょうか?

首を傾げてじっとしている左のカラスは、羽繕いを催促している状態だと思います。 「羽繕い」は自身の羽を整えたり汚れや寄生虫を落とすために行うというのが一般的なイメージですが、ハシブトガラスは、自分以外の鳥を羽繕いしてあげるのです。

ハシブトガラスをはじめとする鳥類の求愛のひとつとして、オスからメスへ餌をあげる「求愛給餌」という行動があり、動画で撮影したやりとりの前には、右のカラスが左のカラスに餌をあげるシーンがありました。 そのため私は、この2羽は夫婦かカップルなんじゃないかなあと予想しました。(専門家ではないので、あくまでも予想の範疇での見解です)

なお、給餌シーンからの一連の流れはこちらのYouTubeで見られます。

――普段からカラスや野鳥を見ることを楽しまれていますが、カラス観察の楽しさはどんなところにあるのでしょうか?

ひとことで言うと、「わかりやすい」ところが楽しいのかなと思います。カラスは体が大きく、街中によくいる鳥なので見つけやすいです。

また、人への警戒心もおおむね低いので、近くで観察しやすいです。繁殖期は警戒心が強く攻撃的なので近づきませんが、カラスの存在を気にしていれば近づかない方がいい時期や場所もわかってくるので、気を遣いやすいと思います。

さらに、カラスの生態については昔から沢山研究されていて、専門家による面白い書籍がたくさん出ています。自分が見たことのないカラスのことや、見ていても気づかなかったようなことを本が教えてくれます。

このように、観察するにも知るにもカラスは情報を得やすい生きものなので、少し気になるだけでどんどんのめり込んでしまうんだと思います。

――今回のツイート、多くの反響が寄せられておりますね。

私は自分の大好きな生きものや自然の魅力を同じような生きもの好きと共有したり、まだ生きものを知らない人たちにも伝えたいという思いから、このTwitterをはじめました。ですので、これほど反響をいただけるのは本当に嬉しいです。

また、Twitterだけでなく、グッズを制作販売することで野鳥の魅力を普及していこうと活動しています。今回のツイートの反響で、オンラインショップで今までにないくらいの多くの注文をいただき、それも嬉しいです! カードゲーム「カラスぐらし」など、お買い上げありがとうございます。

カラスの動画でキュンとしてもらい、そのおかげでカラスグッズが売れて……(^-^)そして、カラスグッズのおかげでカラスにもっと興味を持っていただけたらなと思います。

――カラスのカードゲーム「カラスぐらし」はどんなゲームなのでしょうか?

カラスぐらしは、ハシブトガラスの都会での暮らしをモチーフにしたゲームです。カードにはカラスにとっての「良いこと」「悪いこと」が書いてあります。

ゲームで遊んだり、カードを眺めたりしながら、「私たちの周りでカラスはこういう風に暮らしているんだな」と知ってもらいたいです。 また、街中でカラスを見かけた際に、「今は何をしているんだろう?」と考えてみるきっかけになれば嬉しいです。

――最後に、ツイートを見た方にお言葉をお願いします。

カラスの動画にキュンとしたみなさま、普段の生活のついでで良いので、バードウォッチングを始めてみませんか。野鳥ほど、身近で観察しやすい野生動物はいません。

カラスやスズメを見かけたら、いつもよりちょっと長く見てみるだけでいいと思います。 見かけるたびにわずかな観察を続ければ、思いもよらないところで今回の動画のような面白くてかわいい野鳥の様子を実際に見られる日が来るかもしれません!


公園や海辺だけでなく、オフィス街や住宅地でも見かける鳥たち。興味を向けてみることで、意外な一面を発見できるかもしれません。

でこぱち商店さんのTwitterには、カラスだけでなく、さまざまな鳥の生態や、キュートなグッズに関する情報が盛りだくさん。すでに鳥の魅力にはまっている方も、そうでない方も、でこぱち商店さんのグッズやバードウォッチングを通して、鳥類の世界に浸ってみてはいかがでしょうか?