今年、『彼とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)で注目を集め、その後、俳優デビューを果たし、『パパとムスメの7日間』(TBS)などに出演した松本怜生。現在放送中のBSーTBSドラマ『サワコ~それは、果てなき復讐』(毎週日曜23:00~/TVer等でも配信中)では11月6日放送の第6話より登場し、物語の展開に大きく関わるキーパーソンの一人を演じている。松本にインタビューし、本作出演の感想や、俳優業への思いなど話を聞いた。

  • 松本怜生

本作は、趣里演じる主人公・深井サワコが、音川マチカ(深川麻衣)に近付く人たちの心の隙間に入り込み、人間関係を破壊していくラブホラーサスペンス。サワコによって恋人や家族を失ったマチカが復讐を開始する第6話より、2人の展開にかかわる富裕層の一家・藪池家が登場。松本は長男・優一を演じている。父・徹は長尾卓磨、娘・瑞希は中澤実子。

――『サワコ』出演が決定したときの心境を教えてください。

1時間ドラマに出演する初めての作品が、この『サワコ』です。出演が決まって「うれしい!」と思ったのは5分程度で、それからすぐ切り替えて「どんな対策ができるかな?」と考えました。そして、原作を読んで、すごく下調べ・準備をしました。

――今回、藪池優一を演じる際に意識したことは?

作品後半からの出演だったので、前半の流れを少しでも知っておきたかったのですが、どんな雰囲気で撮影をしているのかわからない状態でした。少ない材料の中で「優一はきっとこうだったら一番刺さるだろうな」と、声のトーンや表情、普段の目つき、妹に対する態度と親に対する態度の違いなど、準備できる範囲でたくさんイメージしました。

――作品の後半から出演することにプレッシャーはなかったですか?

藪池優一としての目線で見たとき、前半の物語の内容は、彼の立ち位置からしたら知らないものです。撮影の雰囲気とかは知りたかったですが、話の流れや音川マチカ(深川麻衣)がどういう人か、あえて知らない方がいいと思いました。その上でマチカを引き立てることが自分の役目と考え、優一の存在感というのを意識しました。

――主演の趣里さんやメインキャストである深川さんとの共演はいかがでしたか?

お二方ともすごく優しい方でした。初めにお会いしたのは深川さんで、挨拶をしたとき、これから共演シーンが多いということで「これから頑張ろうね」と優しいお言葉をかけてもらいました。撮影の合間も、1日目からいい距離感で接してくださってやりやすかったです。

――2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜てきされた趣里さんとの共演はいかがでしたか?

共演シーンは少なかったですが、『サワコ』の現場で出会えて良かったです。この業界に入って僕はまだ日が浅いですが、「出会えて良かった」「この人に憧れる」と初めて思えたのが趣里さんでした。お姉さんみたいな感じで一緒にいると安心します。一方、お芝居になると趣里さんではなく深井サワコとして見ることができる。そのオン・オフが魅力的でしたし、無意識に助けられた部分があります。趣里さんには感謝しかないです。

――趣里さんからとても刺激を受けられたのですね。

はい、もう~ファンですね(笑)!

――趣里さんの演技や振る舞いで印象に残っていることは?

趣里さんからすごく学んだのが目の演技です。普段と演じているときの目つきが全然違って。趣里さんとの共演シーンでは目を合わせてのお芝居が多かったのですが、そのとき本当に吸い込まれるような目をされていました。目の動きや演技を見て、カットがかかると「趣里さんすごいな」とふと我に返る。とても勉強になりました。