――そもそも、芸能界に入りたいと思ったきっかけは?

僕は愛媛県という田舎で生まれ育って、7歳から18歳までずっと野球をしてきました。その頃から、違う世界で生まれ育っていたらこうなりたかったなというのが芸能界でした。その思いが強くなったのは高校での野球人生を2年間棒に振る大ケガをしたことです。全治1年のケガを2回負って、歩く・走る練習をずっとしていて、心身ともに落ち込みました。入院中、気分転換として今まで触れてなかったドラマや映画をたくさん観て、そのとき自分の視野の狭さを知り、この世界はいろんな可能性を秘めている、いろんな景色があると刺激を受けて、すごく憧れて。そして、とりあえず愛媛から出ようと思って、大阪の大学に行き、「今自分にできることはなんだろう」と思ったとき、時代のニーズに合わせてSNSで知名度をつけるという行動を1人で始めました。

――自分で考えてSNSから始められたのですね。

そうですね。事務所に入らずまずは1人でやってみようと考えて、フリーでずっとやってきて、知名度がついたタイミングで初めて親に「役者をやりたい。東京に行きたい」と伝えました。そのとき今所属している事務所さんにも出会いました。そこでやっとスタートラインに立つことができました。この業界で活動できていることは今でも夢みたいで、事務所に入って芸能活動を始めた時点で夢が叶っている状態です。なので、今だけで幸せで、あとはもう全力でやるだけです!

――学生時代の挫折、事務所に入るまでの苦労を経て今に至っていると思いますが、それもあって自己分析に長けていらっしゃる印象があります。

その言葉、すごくうれしいです。自己分析は一番しています。主観的に考えたり、自分を客観的に見たりするのは無意識にしています。「今、自分がこう見られている」という意識も薄々感じるタイプで、そこで「自分はこう振る舞えばいい」とか、自分の立ち位置を理解することも大切なことだと思っています。そういう意味では、これからの自分のために自己分析は日々必須条件ですし、自分の身の丈を知っておくのは大事だと考えています。1人で考えるのは自分にとっては大事な時間なのかもしれません。

――SNSでファンがどう見ているのか、ということもよく客観視していますか?

それは矛盾になってしまうのですが、考えはしますが「考えても仕方がない」とも割り切っています。これまでの経験を通じて「全員の声を叶えるというのは絶対に無理」と思うようになりました。だから、SNSに関しては「この自分を見てほしい」という発信が多いかもしれません。もちろんファンの皆様からいろんなお声をいただきます。ありのままの自分を好きでいてもらいたいという気持ちがあるので、自分の本音にだけは素直に生きています。

――今後の目標もお聞かせください。

同じ世代で活躍されている方はたくさんいますが、あくまで自分は自分。まわりの方が20代ですごく活躍したとしても、自分が活躍するのは30代からかもしれない。だから自分に変な期待はせずに、今は一つ一つお仕事を全力でこなして、それが必ず先につながっていくと信じて頑張っています。だから「何歳までにこれに出たい」とか、そういう期待を自分に持たないようにしているのかもしれません。

――『サワコ』に関して、自分のここを見てほしいなど注目ポイントがありましたら教えてください。

どれだけ違和感なく『サワコ』に溶け込んでいるのか注目していただけたら。「優一くんのおかげでマチカさんという役が活きているよね」とか後々気づいてもらえたらうれしいです。あとは……「演技上手になっているよね」と褒められたらうれしいです(笑)

■松本怜生
2000年4月27日生まれ、愛媛県出身。TikTokが人気を集め、芸能界入り。現在フォロワー数は50万人超え。今年、ABEMA『彼とオオカミちゃんには騙されない』に出演し、注目を集める。その後、『不幸くんはキスするしかない!』でドラマ初出演、『パパとムスメの7日間』で初の連続ドラマレギュラー出演。また、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』にゲスト出演し、プライムタイムのドラマに初出演した。

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