――『サワコ』への出演はご自身にとってどのような経験になりましたか?

絶対に自分の分岐点だと確信しています。監督さんやキャストさんとのやり取り、現場の雰囲気、すごくやりやすい環境で、自分の役と向き合える時間を十分に設けることができました。そんな風に没頭できたのは現場の雰囲気やスタッフさんのおかげ。僕は優一のように暗い役を演じるのが初めてでしたが、自信につながりました。

――とても大事な作品に。

事前の準備もしっかり時間をかけ、現場で監督さんがおっしゃることも納得いく形で理解できて、「こう言われるだろうな」と予測できるくらいに掛け合いがスムーズでした。これだけ準備すれば、自分はここまで自信をもって演技ができるということもわかりました。これから優一に似た役を演じることもあると思います。その上でベースになる役をやらせてもらったという思いが強いです。すべてが経験でした。

――『パパとムスメの7日間』で連ドラ初レギュラー、『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』にゲスト出演するなど俳優として経験を重ねられています。『サワコ』への出演で、俳優業への意欲は増していますか?

今はとにかくお芝居が楽しいです。お芝居がしたくてしたくて仕方がないという状態で、どんな役でも演じたいという思いが本当に強いです。そう思わせてくれたのは『サワコ』の現場です。いろんなことを経験したいという気持ちが一層深まりました。いただいたお仕事は何でも全力でやりたいです。

――どんな役でも挑戦したいということですが、強いて挙げるならどんな役を演じたいですか?

アクションに挑戦したいです。あと、『サワコ』の優一とは異なる役にもチャレンジしてみたいです。どんな役でもイメージして「やりたいな」と思うことが多いです。今はそういう時期で、そう思えることに感謝です。

――松本さんはTikTokやInstagramで若者世代に人気です。SNSでの経験が役者として何か生きているなということはありますか?

役者のお仕事をやっていく上で、僕のもともとのスタイルが邪魔しちゃダメだなと思っています。だから、ファンの方には「あまり好きじゃない」「前の方が良かった」と思われても仕方ないと思いながら始めたことなので、余計なプライドは捨てました。そこを理解して「挑戦する姿がかっこいい」と応援してくださるファンの方の声は、頑張ろうと励みになります。だから役者業においては、若い方たちに支持いただいている(SNSなどでの)自分の存在はほとんど捨てて、お芝居には持ち込まないで新たな自分で挑んでます。