東京都は7日、老朽化により運行を休止している上野動物園モノレールの代替となる新たな乗り物の整備について、「恩賜上野動物園新たな乗り物の整備に関する基本方針」を策定したと発表した。民間事業者と連携を図りながら新たな乗り物の整備を着実に進めるにあたり、整備の考え方やルート、今後のスケジュールなど都の基本的な方針を示している。

  • 上野動物園モノレールは現在、運行を休止している(提供 : 写真AC)

「恩賜上野動物園新たな乗り物の整備に関する基本方針」によると、新たな乗り物は「コンパクトな乗り物(小型モノレール等)」を想定しているという。整備にあたり、バリアフリーに配慮し、ベビーカー・車いす利用者など誰でも安全・快適に利用できる乗り物とすること、現存の上野動物園モノレールと同等以上の輸送量を確保できる施設とし、乗り物としての楽しさも備えることで動物園の魅力を高め、広く来園者に親しまれる乗り物とすること、省エネ性能の確保など環境負荷の低減に優れた乗り物とすること、メンテナンス性に優れた機器の導入など施設の維持管理や将来コストの負担に配慮した乗り物とすることを求めている。

新たな乗り物のルートは、現存の上野動物園モノレールのルート等を最大限活用することを基本とし、飼育動物への影響に十分配慮した上で整備する。新たな東園の乗り場は、おおむね現存の上野動物園モノレール東園駅舎の位置に設置。新たな西園の乗り場は、現存の上野動物園モノレール西園駅舎より不忍池側に移動した位置に設置する。なお、原則として現存の上野動物園モノレール施設は東京都が撤去する。

新たな乗り物の整備については、乗り物(車両、柱などのインフラ部分含む)と乗り場(駅舎)の企画・設計・建設を担う乗り物整備事業者を公募(企画提案方式)で選定。2023年度に乗り物整備事業者に関する公募要項を公表し、乗り物整備事業者を決定。2024~2026年度に設計・工事を進め、2026年度中に新たな乗り物の供用開始を予定している。