「Microsoft Teams」はチャットやビデオ会議などの機能を持ち、遠く離れた社内外の人とのやり取りをスムーズに行える便利なビジネスツールです。本記事では、これからTeamsを使い始める、あるいはとりあえず導入したもののよくわからないという人向けにTeamsのチャットの基本的な使い方を解説します。
つまづきがちな改行やメンションの方法だけでなく、ファイル添付や履歴検索などの便利な機能、起こりがちなトラブルとその解決方法も紹介します。Teamsのチャットを使って、便利に社内外の人とやり取りをしましょう!
Teamsのチャットの基本的な使い方
まずは、基本である個別チャットなどの送り方や改行方法、メンションなどをマスターしましょう。以下の内容を押さえれば、基本的なメッセージのやり取りができるようになります。
Teamsの個別チャットの使い方
チャットを始めたいときは「チャット」欄の一番上にある「新しいチャット(タブレットにペンで書いているようなマーク)」をクリックします。
すると「新規作成」ウインドウが現れますので、そこにチャットしたい人の名前やメールアドレス、電話番号を入力して検索しましょう。相手を選択したら下部のテキストボックスに送信したい内容を入力し、下の紙飛行機のようなマークをクリックすればチャットが送信・開始されます。
ショートカットキーを利用する場合は「Alt + N」を押すと新規チャット画面を表示できます。
Teamsのグループチャットの使い方
グループチャットを開始する際も、基本は個別チャットと変わりません。「新規作成」ウインドウでチャットをしたい人を選択する際に2人以上のユーザーを選びましょう。右側にある「グループ名を追加」をクリックすればグループ名を付けられます。1つのグループチャットには、最大で250人の参加が可能です。
Teamsのユーザーの追加方法
チャットに途中からユーザーを追加したい場合は、チャット欄の一番右側にある「ユーザーの追加」(グループチャットの場合は「参加者の表示と追加」)をクリックします。そこから参加させたい相手を検索して追加しましょう。誰がチャットに参加しているかの確認もここから行えます。
Teamsのチャットの改行方法
Teamsで改行する際は「Shift + Enter」キーを押しましょう。デフォルトの設定は[Enter]キーでメッセージが送信されるようになっています。改行のつもりで「Shift」を押し忘れてしまうとメッセージが送信されてしまうため、注意が必要です。
うっかり送信してしまうミスを無くすには、テキストボックス下の「書式」(Aと鉛筆のマーク。ショートカットキーは「Ctrl + Shift + X」)をクリックしましょう。書式変更機能が使えるモード中は、Shiftキーを押しても改行になり、「Ctrl + Enter 」で送信できるようになります。
Teamsの改行方法は? [Enter]キーだけで送信しない設定もご紹介
Teamsのメンションのやり方
Teamsには名前の前に「@」を付けてメッセージを送ることで、相手に通知を行うメンション機能があります。
テキストボックスで「@」とスペースを入れることでメンション相手の候補が表示されます。複数人にメンションしたい際はこの操作を繰り返します。メンションをつけると相手の見逃しを防げるため、重要事項やチャットの流れが早いときなどに活用しましょう。
Teamsのメンションとは? 活用方法やメンションできない時の対処法もご紹介
Teamsのメッセージの削除方法
一度送信したチャットメッセージを削除したいときは、削除したいメッセージの上にカーソルを合わせ、右側の「その他のオプション(…)」をクリックしましょう。削除メニューが出てきます。
削除後は「このメッセージは削除されました」というメッセージが代わりに表示されますが、相手からはこの削除メッセージは見えません。もし間違ったメッセージを消してしまったら、「元に戻す」を選べば再表示できます。
Teamsの引用のやり方
メッセージを引用して返信したい場合は、引用したいメッセージの上にカーソルを合わせ、右側の「その他のオプション(…)」から「返信」を選びましょう。メッセージボックスに相手のメッセージが引用されます。
ただし、この方法では全文引用になってしまいます。一部分だけの引用をしたければ、テキストボックス左下の「書式」(Aと鉛筆のマーク)をクリックした後に「”(引用符マーク)」をクリック、もしくは半角の「>」を打つことで引用欄を表示できます。引用欄の中に引用したいメッセージを入力しましょう。 引用欄を終了させたい場合は、2回改行すれば通常メッセージが入力できるようになります。
Teamsで引用返信する方法とは? 引用のショートカットキーも紹介
Teamsのチャットの便利な機能
Teamsのチャットでは、ただメッセージをやり取りするだけではなくファイルの添付やチャット内の検索などもできます。使いこなして、より便利にチャットを活用しましょう。
ファイルの添付
Teamsのチャットでファイルを送る際は、メッセージボックス下のクリップマークをクリックし、「One Drive」「コンピューターからアップロード」のどちらかを選択してファイルを選びましょう。チャットの右にある「その他」のタブから「ファイル」を開けば、チャット内に添付されたファイルの一覧が見られます。
送信したファイルを消去したいときは、コンピューターからアップロードしたものはメッセージを消去すれば一緒に消えますが、OneDriveなどにファイルがある場合はファイル一覧からしか削除できません。
Teamsのファイル共有方法とは? 同時編集できない時の理由も解説
転送
スマートフォンアプリ版のチャットでは転送機能が使えます。転送したいメッセージを長押しするとメニューが表示されるので、中から「転送」を選択しましょう。転送先を検索するか表示内容の中から選び、転送をタップすればメッセージが転送されます。
チャットのエクスポート
バックアップやログの確認のためにチャットをエクスポートするには、Microsoftアカウントにアクセスする必要があります。以下の手順で進めましょう。
1.トップページからサインインして「プライバシー」に進み、製品のプライバシー設定から「Microsoft Teams」を選びましょう。
2.「Export my data」ページが表示されたら、「Chat history」にチェックを入れ、「Submit request」ボタンを押下します。
3.データの準備ができたら上の「AVAILABLE EXPORTS」の下に表示され、tar形式で圧縮されたデータがダウンロードできます。
ただしこの方法はログが多いと時間がかかり、解凍するとJSON形式になるためやや見づらくなってしまいます。緊急時や単にチャットの会話ログが欲しい場合は「Ctrl + A」でチャットの全体を選択し、コピーアンドペーストしたほうが手軽です。
履歴の検索
チャット履歴を検索したいときは、チャット上部の検索ボックスに検索したい語句を入力しましょう。検索ページの左側に検索結果が表示されます。「メッセージ」でメッセージだけの表示にでき、その下の「差出人」「種類」「その他のフィルター」を利用すれば絞り込みも可能です。
「Ctrl + F」でチャット内検索も可能ですし、法人版を利用してOffice365と連携していれば、管理者はOffice365のメールボックス経由ですべてのチャット履歴を検索できます。
ミュート
チャットをミュートしたいときには、チャットの右側にある「その他のオプション」(…)からミュートを選びましょう。ミュートした場合はそのチャットからの通知はきません。ミュートを解除したいときは、再度「その他のオプション」から可能です。
通知オフ
チャットからの通知をオフにしたい場合は、一番上の段にある「設定など(…)」をクリックし、「設定」をクリックします。通知設定から、通知サウンドやメッセージのプレビューの有無、チャットのメンション時やリアクションがあった際の通知を変更できます。
非表示
チャットを非表示にしたいときも、チャットの右側にある「その他のオプション」(…)から非表示を選びましょう。再表示したい場合は、検索から表示させたいチャットを探し、「その他のオプション」から再表示させられます。
絵文字・GIF
Teamsでは絵文字やGIFを送ることもできます。テキストボックス下の顔マークを選べば絵文字が、「GIF」と描かれた四角マークを選べばGIFの一覧が表示されるので、そのときの気持ちや状況に適した内容を選択しましょう。右上に小さく印のある絵文字は、その上で右クリックをすることで肌の色の変更ができます。
絵文字は複数、もしくは文章中に入力した場合は小さく表示されますが、1つだと大きな表示になるため、よりコミカルに気持ちを伝えられるでしょう。
チャットボット
Teamsは法人版ならばチャットボットの導入も可能です。左下にある「アプリ」からアプリの検索、もしくはカテゴリの中から目的に合ったbotを選択・追加することでチャットボットを設置できます。チャットボットを利用し、会議の時間の管理や問い合わせの対応に割く時間と手間を減らしましょう。
名前の変更
チャットならばグループチャットのみ名前の変更が可能です。グループ名の右にある鉛筆マークをクリックすると新しいグループ名を入力できます。
Teamsの名前を変更する方法とは?
既読 / 未読の確認
メッセージを受け取った相手が既読になったかを知りたい場合、開封確認メッセージをオンにすることで相手がメッセージを見たかどうかがわかります。デフォルトではオンになっており、相手がメッセージを確認すると目のマークが表示されます。
丸にチェックマークが表示される場合は単に「メッセージが送信された」ということを表しており、自分もしくは相手の開封確認が有効になっていないことが考えられます。自分のアイコンの左にある 設定など(…) > 設定 > プライバシー > 既読確認 からオンオフが切り替えられるため、確認してみましょう。
Teamsのチャットにありがちなトラブルと対処法
Teamsでチャットを利用していると、「思ったように動かない」となることがあるでしょう。以下では、ありがちなトラブルと対処法を解説します。
Teamsのチャットが表示されない
存在しているはずのチャットが見当たらなければ、まずは「自分でも気づかないうちに非表示にしていないか」を確認してみましょう。単に非表示になっているのなら検索を利用して探すことで発見できるでしょう。
「新着メッセージが表示されない」「チャット履歴が消えてしまう」という場合はTeamsのサインアウト&サインイン、パソコンの再起動、キャッシュの消去などを試してみましょう。
また、稀ですがTeams側のシステムトラブルでメッセージが表示されなくなることもあります。しばらく待っても不具合が続くようならば、サポートに連絡するとよいでしょう。
Teamsのチャットで@マークでメンションができない
以前はメンションしたいときは「@」を入力するだけでメンションが可能でしたが、2022年8月現在は「@+スペース」を入力しないとメンション候補は表示できません。それでも見つからないときは、相手の名前かユーザーIDを続けて入力してみましょう。
Teamsのチャット内容が更新されない
チャットの内容が更新されないならば、まずTeamsのサインアウト&サインイン、パソコンの再起動、キャッシュの消去を試してみましょう。それでも直らなければ、Teamsの手動でのアップデートか再ダウンロードで対処します。
アップデートは自分のアイコンの左にある「設定など(…) > 更新プログラムの確認」から可能です。再ダウンロードはデスクトップならTeamsのダウンロード用ページ、モバイル版ならApp StoreもしくはGoogle Playストアから可能です。「Teams ダウンロード」で検索し、デバイスに合ったものを選びましょう。
Teamsでファイルが添付できない
Teamsでファイルが添付できないときは、自分が外部アクセスユーザーになっていないか、つまり社外の人とのやり取りでないか確認してみましょう。この場合は、ゲストアクセスとしてどちらかのTeamsに招待することで解決できます。
法人用なら「SharePointの権限が付与されていない」ケースもあります。こちらは、管理者が権限を変更することで対処できますので、管理部門あるいは管理者に相談してみましょう。
Teamsのファイルが編集できない
共有されたファイルがTeams上で編集できなければ、ファイルの形式を確認してみましょう。Teams上、あるいはアプリ上で直接ファイルに編集を加えられるのはOfficeファイルのみです。アップロード者により編集できるユーザーが制限されているケースもあります。
法人用の場合は管理者によりファイルの編集権限が付与されていない可能性もあります。いずれにも当てはまらなければ、管理者に尋ねるとよいでしょう。
Teamsのチャットを使いこなして便利にやり取りしよう
Teamsのチャットは「改行が『Shift + Enter』」など気をつけなくてはならない部分もあるものの、基本的にはその他のチャットツールと使い方に大きな違いはありません。アイコンの基本的な意味さえ理解してしまえば、直感的に使えるようになるでしょう。Teamsを使い、業務の効率化を進めましょう。