リスクモンスターは10月31日、第2回「借金王ランキング」の結果を発表した。調査は2022年7月1日時点で開示されていた2021年4月期決算以降の最新決算に基づき、金融機関を除く決算短信提出企業3,202社を対象に行われた。
決算短信記載の有利子負債に基づいて集計したところ、「借金王ランキング」は、前回同様、1位「トヨタ自動車」(有利子負債26兆4,964億円)、2位「ソフトバンクグループ」(同21兆4,574億円)、3位「本田技研工業」(同8兆1,026億円)という結果に。
3社は、EBITDAランキングと営業キャッシュフローランキングのいずれにおいても上位6位以内にランクインしており、さらに、「トヨタ自動車」「本田技研工業」では、分析対象とした現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率のすべてにおいて、優良な水準を保持している点、「ソフトバンクグループ」では、自己資本比率が30%未満と低水準でありながらも、月商の10か月分の現預金を備え、高い支払い能力を有している点で、それぞれ高い安全性を有していることが表れている。
以下、4位「三菱HCキャピタル」(同7兆4,616億円)、5位「日本電信電話」(同7兆3,643億円)、6位「日産自動車」(同6兆9,978億円)、7位「ソフトバンク」(同5兆9,995億円)、8位「三菱商事」(同5兆6,432円)、9位「東京電力ホールディングス」(同4兆9.426円)、10位「三井物産」(同4兆8.775円)となった。
有利子負債上位20社の安全性を調査するために「現預金回転期間」「借入依存度」「自己資本比率」について分析したところ、現預金回転期間(現預金÷月商)では、「楽天グループ」「ソフトバンクグループ」「三菱HCキャピタル」「ソフトバンク」「本田技研工業」が上位に。
リスクモンスターの倒産確率分析(以下、倒産確率分析)において高リスクとなる「1か月未満」の企業は20社中3社のみ、また、借入依存度(総借入÷総資産×100)では、業種特性として借入金が嵩みやすい物品賃貸業と不動産業に該当する5社を除くと、倒産確率分析において高リスクとなる「50%超」の企業は「関西電力」「九州電力」の2社のみとなり、借金王ランキング上位企業においては、おおむね高い安全性を保ちながら借入を行っていることがうかがえた。
また、上場企業の収益力を計る指標として、「EBITDA」「営業キャッシュフロー」を集計しランキングしたところ、EBITDAでは「トヨタ自動車」「日本電信電話」「ソニーグループ」「KDDI」「ソフトバンク」が上位となり、営業キャッシュフローでは「トヨタ自動車」「日本電信電話」「ソフトバンクグループ」「本田技研工業」「KDDI」が上位に。
借金王ランキング上位20社のうち8社がEBITDAランキングにランクインし、12社が営業キャッシュフローランキングにランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果となった。