――お二人は「おいでやすこが」として『M-1』準優勝で大きな反響を呼びました。コンビを組まずにピン芸人として活動することへのこだわりは?

小田:一言でいうと、僕が社会不適合人間なんです。お笑いというのは、コンビやトリオで活動する方が絶対いいと思います。1人でやることって、本当に割に合わないことが多いので。だからこそピン芸人ってすごいなと思うし、好きなんですけどね。僕の場合は、やっぱり異常な部分もあるので、本当に相方に迷惑をかけてしまうと思うし、相手の人生を背負わなければいけないと思うと萎縮してしまう。もうこういうこと考える時点で性格的に向いていないと思います。

こがけん:呼ぶ側のメリットもありますよね。すごく分かりやすい話ですが、コンビで呼ぶのなら2人分の交通費が掛かりますが、1人なら半分で済むとか。あとはユニットとしてやることも多いですが、コンビと違ってピン芸人としてしっかりと活動できているからこそ「ユニット」としての成功例になると思うんです。よく「じゃない方芸人」という企画がありますが、あれはコンビでなければ成立しない。その意味で、こうしてユニットとして見ていただけている以上、ピンでしっかりと成功するということが大きなモチベーションにはなっていると思います。

小田:そもそも『M-1』で結果を出すことができたのも、それぞれ20年ピンでやってきた土台があったからだろうなと思っています。それならば、その形を継続した方がいいんだろうなという思いはありますね。

――今後も「おいでやすこが」のユニットは続けていく予定ですか?

こがけん:そうですね。求められれば続けていきたいです。

小田:ピンの個々の力が増していけば、ユニットとしてのレベルも上がっていくと思うので、そちらも楽しみです。

■おいでやす小田
1978年7月25日生まれ、京都府京都市出身。吉本興業所属。NSC大阪23期生。2008年頃よりピン芸人として活動し、2018年をもって活動拠点を大阪から東京に移した。2016年-2020年まで5年連続『R-1ぐらんぷり』ファイナリスト。2019年にこがけんとユニット「おいでやすこが」を組み、2020年『M-1グランプリ』準優勝した。2022年、ドラマ『カムカムエヴリバディ』(NHK)、『彼女、 お借りします』(ABCテレビ・テレビ朝日)、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(TBS)に出演するなど、活動の幅を広げている。
■こがけん
1979年2月14日生まれ、福岡県久留米市出身。吉本興業所属。東京NSC7期生。2019年『R-1ぐらんぷり』決勝進出、 『歌ネタ王決定戦2020』決勝進出。2019年においでやす小田とユニット「おいでやすこが」を組み、2020年『M-1グランプリ』準優勝した。どんな曲でも洋楽ロック風に歌うのが得意。 「細か過ぎて伝わらないモノマネ」では、オーマイガーのハリウッド映画ものまねでお馴染み。映画大好き芸人として多方面で活躍している。