――2020年の『M-1』準優勝からお二人とも認知度が今まで以上に上がったと思われますが、変化を感じていることはありますか?

小田:分かりやすいところで言えば、スケジュールが真逆になりました。真っ白だったものが真っ黒に。それが一番ですかね。認知度という部分では、正直あまり実感はないんです。街で声を掛けられることもそんなにないですし。ちょうどコロナ禍で、昔みたいに劇場での出待ちや、チケットを買う列もなくなって。もともと指をさされたり声を掛けられるのが苦手で、いつも下向き加減で歩いているので、あまり気づかれないんです。

こがけん:僕もあまり目立つタイプではないので、声を掛けられたりすることはめったにないですね。特に東京では、気づいているかも……という視線を感じることがあっても、声を掛けられないですからね。大阪や福岡だとバンバン声を掛けてくるのですが。そこは県民性の違いというか、面白いですね。

――スケジュールの話が出ましたが、この2年はとにかく忙しかったですか?

小田:正直2021年の1年間のことってほとんど覚えていないぐらいです。どうやっていたかなって感じで。いまもう1回やれと言われてもできないと思うぐらい。かなりハイな状態だったと思います。

こがけん:普通だったら単独ライブも、『M-1』で準優勝したタイミングでやった方が良かったのかもしれませんが、正直そんなことに頭が回らないぐらい目の前の仕事に取り組むことでいっぱいいっぱいでした。その日をどう乗り切るのか……ということしか考えていなかった日々でしたね。

――怒涛の時期を超えて、だんだん冷静にやりたいことが見えてきた?

こがけん:小田さんと比べると僕はテレビの仕事は少ないのですが、映画の仕事でなにか考えてまとめたり、テレビの企画で商品開発をしたり、宿題的なことがめちゃくちゃ多くて。一時期は変な時間に帰ってしまうと子供が起きてしまうので、ネットカフェで作業をして、夜中の3時ぐらいにタクシーで家に帰って……みたいな生活が続いていたんです。いま子供が2歳と4歳なのですが、全然遊ぶ時間がなくて。でもやっぱり仕事が休みになると不安もあって。どちらかを天秤にかけられないと思っていたのですが、ある日、僕が家から出掛けるとき、子供が奥さんに「パパ帰っちゃったね」って言ったんです。そのときに「これはマズイ」って思って。それからは、仕事はしなければいけないのですが、できる限り休みの時間を取って子供と過ごそうと思っています。

小田:僕はこれまで「この日休みにしてくれ」って言ったことないんです。それで全然良かったのですが、さすがにこの1年半以上、プライベートでなにもしていない。それはそれで不満もないのですが、来年はもう少しいいバランスになったらいいかなと。プライベートでなにかを吸収することで、また芸に対していいヒントになるのかなと思うので。