サントリーは10月19日、ノンアルコールワインの「ノンアルでワインの休日(ロゼ)」、そしてノンアルコールハイボールの「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」を発表した。ともに12月6日より全国で発売する。容量は350ml。価格は「ノンアルでワインの休日(ロゼ)」がオープン価格、「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」が173円となっている。その特徴について担当者が説明した。

  • サントリーが年末に向けて、ノンアルコール飲料で攻勢をかける

■新商品 投入の背景

「ノンアルでワインの休日(ロゼ)」は、期間限定で販売する新商品。今年(2022年)3月から販売している同シリーズのノンアルでワインの休日(赤)、ノンアルでワインの休日(白)に続く第3弾という位置づけになる。販売中の商品と同様に、醸造したワインを蒸溜してアルコール分を取り除いて作った「ワインエキス」を使用しており、ノンアルコールでも本格的なワインのような味わいが楽しめるのが特徴。ノンアルでワインの休日(ロゼ)は、開栓時にロゼの華やかな香りが立ち、中味はすっきりとした辛口。ほのかにチェリーも感じられる、フルーティな味わいに仕上がっている。

  • ロゼの液色と華やかさを表現したピンクの缶の「ノンアルでワインの休日(ロゼ)」

「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」も数量限定販売する新商品。同シリーズの、のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコールの好評を受け、同社がノンアルコールの新たな選択肢として新開発した。中味は、芳醇な香りとコクのあるハイボールの美味しさが特徴。ウイスキーから極力熱をかけずにアルコール分を取り除く「ハイボールありのまま製法」により、ハイボールの本格的な旨さそのままでアルコール度数0.00%を実現した。

  • 爽快なハイボールをイメージした琥珀色の缶の「のんある晩酌 ハイボール ノンアルコール」

サントリー 取締役常務執行役員 戦略本部長の林正人氏は、コロナ禍による巣ごもり需要、そして健康志向の高まりによって国内のノンアルコール市場は伸長を続けていると説明する。直近では、レモンサワーテイスト、カクテルテイスト、ワインテイストなどノンアルカテゴリの商品の選択肢が拡充しており、これを受けて飲用者、飲用数も右肩上がりに増加しているという。

  • 国内のノンアルコール市場の推移

サントリーの2022年1月~9月の実績でもノンアルコールは対19年比で134%増の伸び率。林氏は「市場の水準を上回る成長でした。弊社ではノンアルコール飲料のリーディングカンパニーとして、今後とも市場を活性化してまいります」と胸を張る。

  • サントリーの2022年1月~9月のノンアルコール実績

執行役員 RTD・LS事業部長の鈴木あき子氏は、のんある晩酌 ハイボール ノンアルコールについて「120年以上にわたり洋酒文化の創造に取り組んできたサントリーの創味技術、ブレンド技術を活かして開発したもの。サントリーだからこそ成し得る高品質なハイボールのノンアルコール飲料です」と強調する。

ちなみにアルコール入りのハイボール市場は、直近で1.4倍と好調に推移。サントリーでは家庭内でハイボール缶を飲んでいる人は約620万人、外食で飲んでいる人は910万人いると見込んでおり、この市場の大きさに着目した。

  • アルコール入りのハイボール市場も伸びている

執行役員 商品開発研究部長の村上悦郎氏は、のんある晩酌 ハイボール ノンアルコールの中味について解説した。まずウイスキーエキス化技術により「ウイスキーらしい芳醇さ」を、そしてRTD中味開発ノウハウによって「キレ・コク、飲みごたえ」を実現したと村上氏。味わいのイメージとしては、初めにレモンピールの香味を感じ、すぐにウイスキーらしい香り立ちが来て、やがてウイスキーらしい後口となっていく。なお2022年2月に実施したモニター調査(n=72人)では、77%が「ノンアルハイボールのイメージが変わった」と回答。『これであれば休肝日を前向きに楽しめそう』などの声が寄せられたと紹介する。

  • のんある晩酌 ハイボール ノンアルコールの味わいイメージ

最後にコミュニケーション施策について。サントリーではライトユーザーの需要が一気に高まる12月に、飲む人も飲まない人も一緒に乾杯できる「ノンアル忘年会」をテーマに、アルコール飲料の売り場において露出を増やしていく考え。またJR新橋駅の烏森口にあるイベントスペースには12月2日~9日まで「のんある忘年会酒場」を開催する。

  • JR新橋駅烏森口のイベントスペースで「のんある忘年会酒場」を開催

今後の販売計画について。今年は市場水準を上回る前年比105%増の1,700万ケースの着地となる見込み。さらには2026年には21年比で約1.5倍の2,500万ケースにチャレンジしていくとしている。

  • ノンアルコール市場とサントリーの販売計画