星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」の22施設目となる「界 雲仙」が、11月25日に長崎県・雲仙温泉に開業する。

  • 「界 雲仙」

九州での「界」ブランドは、鹿児島県の「界 霧島」、大分県の「界 阿蘇」、「界 別府」、「界 由布院」に続く5施設目で、長崎県としては初進出。水蒸気などを含む白い煙を上げている噴気地帯の雲仙地獄が特徴である温泉地に立ち、和(わ・日本)、華(か・中国)、蘭(らん・オランダ)の要素が混ざり合った長崎文化を表現した館内の設えが特徴の施設だ。それらの要素から、コンセプトを「地獄パワーにふれる、異国情緒の宿」とし、館内での滞在を通して、華やかな異国情緒あふれる設えに囲まれ、地獄からみなぎる大地のエネルギーに触れることのできる温泉宿となっている。

長崎県・雲仙温泉は、雲仙天草国立公園内に位置し、立ち込める噴気や湯気が漂う温泉地だ。活発な雲仙地獄が特徴的で、「界 雲仙」は雲仙地獄に面した立地のため、滞在を通して、大地のエネルギーを身近に感じることができる。開業後には、より大地のエネルギーを身近に感じ、地獄パワーに触れられるよう、地獄を活用したアクティビティを提案予定だ。また、雲仙温泉は、日本が鎖国していた時代に、出島を通じ、オランダ商館医のケンベルやシーボルトが訪れたとされ、海外諸国と歴史的な繋がりがある。館内の設えには、様々な人や文化が行き交う中で発展してきた、和、華、蘭の要素が混ざり合った長崎文化を取り入れた。異国情緒あふれた華やかな文化に触れ、地獄からの大地のエネルギーに触れることができる温泉宿となっている。

  • ご当地部屋「和華蘭の間」

「界」では、地域の文化に触れるご当地部屋を用意しており、「界 雲仙」では全51室すべての客室がご当地部屋だ。客室のパーテーションやスタンドライトに、日本を「和」、中華を「華」、オランダやポルトガルを「蘭」と表現し、それらをあわせた長崎独自の文化である和華蘭の要素を取り入れている。スタンドライトはオランダから伝わった硝子工芸品であるステンドグラスをモチーフにし、鮮やかな赤や青の色合いを日本文化である和紙にて表現した。和華蘭の要素が混ざり合った長崎文化から着想を得た設えの中で、異国情緒を感じる滞在をたのしめる。

  • 「和華蘭の間(客室付き露天風呂)」

また、全51室中16室は、湯浴みを中心に滞在できる客室「和華蘭の間(客室付き露天風呂)」としている。客室の滞在スペースの半分以上が露天風呂スペースで、客室内のリビングルームを取り払い、入浴と休息を交互にたのしめるように露天風呂とベッドルームの境界に「湯上がり処」を設けた。目の前の地獄から湯けむりを感じられる開放的な露天風呂を堪能した後、「湯上がり処」で外の景色を眺めながらのんびりと滞在できる客室だ。

  • 大浴場(内風呂)

大浴場の設えには、オランダから伝わった硝子工芸品であるステンドグラスを施している。朝日が差し込む時間帯には、色とりどりの鮮やかな光が湯面や内風呂全体に映り込み、美しく輝く。内風呂には、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の2つの浴槽がある。独特な硫黄の香る湯けむりに包まれながら、異国情緒を感じる湯浴みをたのしむことができる。

  • 宝楽盛り

夕食は、プライベート感が保てる半個室のある食事処で、ご当地の食文化を生かした会席料理を提供する。「界 雲仙」の夕食は、和華蘭文化を反映した長崎発祥の宴会料理「卓袱(しっぽく)料理」に欠かせない「豚角煮」をリエットにした先付で始まる。温泉水を使用して焼いた、雲仙を代表するお菓子のひとつ「湯せんぺい」にリエットをつけて味わう一品だ。その後、酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた「宝楽盛り」では、卓袱料理の丸い円卓をイメージした鮮やかな朱色の器で提供する。

  • 台の物「あご出汁しゃぶしゃぶ」

そして、特別会席のメインの台の物は「あご出汁しゃぶしゃぶ」だ。あごは、正月の雑煮で使用するなど長崎県で親しみのある食材で、上品な旨味を感じるあご出汁に、牛肉や豚肉をくぐらせ出汁とともにたのしむことができる。出汁のアクセントとして、柚子の香りと砂糖の甘さが特徴的な調味料「ゆべし」を途中で加え、味わうのがおすすめだ。鍋料理の締めには、島原名産のうどんをいれ、最後の一滴まであご出汁を堪能できる。長崎の豊かな食材と、和華蘭から着想を得た彩り豊かな器や料理から、異国情緒を堪能できるひとときを提供している。

「界 雲仙」は、11月25日から開業し、客室数51室(客室付き露天風呂16室、特別室1室)とロビー、食事処、トラベルライブラリー、ショップ、湯上がり処、大浴場(男女別、露天風呂各1、内風呂各2)の付属設備がある。アクセスは、JR諫早駅より車で約1時間、長崎空港より車で約1時間半。料金は1泊25,000円~(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付)。