落語家の立川志の輔がナビゲーターを務める日本テレビのミニ番組『ミチガタリ』(毎週土曜22:54~ ※関東ローカル、龍角散提供)が、きょう1日にスタートする。

  • 立川志の輔=日本テレビ提供

この番組は、志の輔が「道」になって街を旅していくというもの。自由に視点が動く目線カメラで、食べたり、飲んだり、街の何かを発見したりし、志の輔によりアドリブパートも用意されている。

初回の舞台は、全ての道のスタート地点・日本橋。富くじ(今の宝くじ)の興行を許された福徳神社が、意外なものの祈願をする神社となっていることに驚く。

初回収録を終えた志の輔のコメントは、以下の通り。

――初回の収録を終えられての感想を教えてください。

語るのは何度となくやってきましたけど、「ミチ(=道)になってくれ」って言われた時から何すりゃいいんだ?って戸惑いが始まりましてね。今日映像を見たら合点がいきました。

「(道の神様こと)ミチノカミ」が、自分の町を自慢しながら本当はいろんな人たちとコミュニケーションをとっているんだろうなと思うような映像を撮ってきてくれているので、「この町は自分の町だ」っていうつもりでしゃべることができてとても気持ちが良かったです。歩いてる犬なんか全部私のもののような…。

でも、やってみて初めてわかったんですけど、兜町とか日本橋とかは僕のイメージの中ではこういう町じゃないですね。ミチノカミサマになってみて初めて知りました(笑)町ってこうやって細かく見てみるとすごい面白いんだなって。

――ミチが主人公ということですが、実際に道目線で町を語られてみていかがでしたか?

たとえば歌舞伎町って一つのイメージで「歌舞伎町」というイメージを作っているじゃないですか。でもひょっとするとカメラがいろんな所へ入っていくと、物凄く面白いものがあったりするんじゃないかと考えると、これから先いろいろな町の「全然名前と合わないじゃんここ」というような名称や、秘密のところがたくさんあるかもしれない。それを楽しみにしながら台本を読めて、そのうちだんだん神様になったような気になり、怖いのは終わった後に町を神様のつもりで歩くんじゃないかってことですね(笑)

――東京で今行ってみたい道はありますか。

やっぱりもう一回、浅草をよく見てみたいです。ご存じないかもしれませんが、私たちは寄席に出ない「立川流」という組織なので、普通の落語家さんはみんな「浅草演芸ホール」に通うんですけど、僕らはそこに通うってことがないもんですから。昔の浅草、つまり落語家になる前の浅草は知ってるんですけど、落語家になってからは逆に行かなくなっちゃったもんですから、ものすごく変化しているというその浅草の街を歩いてみたいです。

――「ミチ」と「落語」、相通ずるところはありますか?

「黄金餅」(こがねもち)という落語の中に、「下谷の山崎町を出まして、あれから上野の山下に出て、三枚橋から上野広小路へ出まして、(中略)そのころ、堀様と鳥居様というお屋敷の前をまっすぐに、筋違(すじかい)御門から大通りに出まして…」っていう、道をずーっといくのがあるんですよ。そして、「麻布絶口釜無村の木蓮寺に着いた時には随分みんなくたびれた、喋ってる私もくたびれた。」っていう、古今亭志ん生師匠のギャグがあって、その長い下谷の山崎町から麻布絶口ですから、麻布ですから、下谷の山崎町は下谷ですよ。(約10kmの)下谷から麻布まで死人を担いで歩いたわけですよ!その歩いた道中を何かこうやっぱり「道中づけ」といって、そこを実際歩いてみたいなとも思いますよね。だから町というとそうやって、町から町にミチガつながってずっと歩いていくという、落語の中にそれが多く出てくるので相通ずるところがありますね。

――番組をご覧頂く視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

番組との番組の合間のいわゆる本当にわずかな時間の番組ではありますけど、必ず「へぇー」と思うあなたの町の地名や町内のイメージが、一瞬・1カ所でもどこか変わるところが必ず含まれていますので、ご覧いただけますと幸いです。「兜町にどぶろくが売っている。だから、株価は安定しないのか」とかね(笑)