ホンダは軽自動車「N-WGN」のマイナーチェンジを実施し、9月23日に発売する。今回は同社の軽自動車「Nシリーズ」で展開中の新ブランド「N STYLE+」の特別仕様車「STYLE+ BITTER」を追加するほか、ホンダ車として初採用となる「急アクセル抑制機能」を導入する。

  • ホンダ「N-WGN」

    ホンダの軽ハイトワゴン「N-WGN」がマイナーチェンジ!(写真は新たに追加となる特別仕様車「STYLE+ BITTER」)

シックな特別仕様が初登場!

N-WGN(エヌワゴン)はホンダが2013年11月に発売した軽ハイトワゴン。現行型は2019年8月にフルモデルチェンジした2世代目だ。初めてのクルマとして乗る「エントリー層」から子育て世代、子離れ・シニア世代まで、幅広いユーザーを持っていることがN-WGNの特徴。発売からの累計販売台数は約65万台に達している。

  • ホンダ「N-WGN」の販売状況

    「N-WGN」の販売実績

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    「N-WGN」のユーザー像

今回のマイナーチェンジでは「N-WGN Custom」の外観をよりスポーティーに変更。フロントグリルをメッシュデザインの新たな意匠とし、ドアミラー、テールフィンアンテナ、テールゲートのハンドルなどにはブラック塗装を施して全体的に引き締まった雰囲気に仕上げた。ボディカラーはカスタムに「プレミアムサンライトホワイト・パール」「トワイライトミストブラック・パール」「メテオロイドグレー・メタリック」の3色、標準車には新色「フィヨルドミスト・パール」と「プレミアムサンライトホワイト・パール」の2色を追加している。

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  • 「N-WGN Custom」はグリル周りのデザインを一新。よりスポーティーで力強い外観を目指したという。ドアハンドルやグリルの横にあるバーなどには「ダークメッキ」の加飾を施してアクセントとしている

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    「N-WGN」標準車の新色「フィヨルドミスト・パール」

新たに追加となる特別仕様車「STYLE+ BITTER」(スタイルプラスビター)は「シックで上質な大人の世界観」を狙った1台だ。ドアハンドルなどはクロームメッキで加飾し、ホイールキャップはグレーメタリック&ブラックの専用カラーリングに。インテリアにはレザー調の「プライムスムース」と「トリコット」生地のコンビシートを採用している。専用のボディカラーは「ブリティッシュグリーン」と「プレミアムガットブラウン・パール」の2色。色も飾りも全体的に渋めな特別仕様車だ。

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  • 専用色「ブリティッシュグリーン」の「STYLE+ BITTER」

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  • 「STYLE+ BITTER」のインテリア。「STYLE+」ブランドの特別仕様車追加は「N-BOX」「N-ONE」に続き今回で3台目。ホンダによれば、同ブランド導入後の販売比率は当初の見込みより高い割合で推移しているという。個性を求めるNシリーズユーザーの存在に着目した新ブランド設立が狙い通り受けているらしい

ペダル踏み間違い事故を低減?

マイナーチェンジの目玉はホンダ初となる「急アクセル抑制機能」の導入だ。ブレーキペダルと勘違いしてアクセルペダルを踏み込んだ際に、加速を抑制してくれる安全面の新機能となる。ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」の新機能として、今回の新型N-WGNから導入を始める。

例えば大きな駐車場で空きスペースを探していて、右足はアクセルペダルに乗せたまま、踏むか踏まないかの状態でクルマをゆっくりと走らせているとき、死角から急に歩行者が出てきたとする。もちろん、右足をブレーキペダルに移動させてブレーキをかければ問題ないわけだが、咄嗟のことで右足を移動し忘れ、そのままアクセルを踏み込んでしまう危険性もある。こういうケースで役に立つのが急アクセル抑制機能だ。

実際に使ってみると、アクセルを急に思い切って踏み込んでも車速が上がらず、クルマはクリープくらいの速度で走り続けた。その間、メーターには「アクセルを戻してください」というメッセージが表示され、車内には警告音が鳴り続ける。急アクセルを検知したからといっていきなり車を止めてしまうのではなく、ゆっくり走らせながらドライバーに誤操作を気づかせ、正しい操作に戻させるというイメージの機能だ。ただし、高速道路への合流や坂道での加速など、アクセルを踏み込む必要のある場面では作動しないような仕組みとしてある。

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    「急アクセル抑制機能」がスタンバイ状態になっていることは緑のマークで知らせてくれる

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    「急アクセル抑制機能」は「Honda SENSING」の新機能として新型「N-WGN」全車に導入されるが、同機能を使うには5,500円を支払ってキーをセッティングしておく必要がある。N-WGNを買ったらキーが2つ付いてくるが、例えばそのうちの1本を同機能ナシ、もう1本を同機能アリにしておいて、乗る人によってキーを使い分けるといった運用も可能だ。写真は同機能が紐づいたキーに専用カバーを装着したもの

N-WGN開発責任者の諌山博之さんによると、このクルマはホンダ車ラインアップのエントリーモデルという位置づけ。免許を取りたての人からシニア世代まで幅広いユーザーが乗るクルマだからこそ、安全に関する新機能はN-WGNから投入したかったそうだ。