ホンダが軽自動車「Nシリーズ」の10周年を記念して開いたイベントに、1台の変わったクルマが展示されていた。「N-ONE」という同社の軽にルーフキャリアを取り付け、ツリーハウスのようにテントを屋根の上に展開したものなのだが、これはいったい?

  • ホンダ「N-ONE」

    「N-ONE」のキャンプ仕様! 誰が作った?

ホンダにとっても想定外の使い方?

「N-ONE」はホンダが展開する軽自動車のラインアップ「Nシリーズ」の1車種。ちょっとレトロで愛らしさも感じるデザインが最大の特徴で、マニュアルシフト(MT)仕様もあることから走りの楽しさも評価されている軽だ。今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでは「K CAR オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

ただ、室内の広さや積載性の高さといった面では、同じNシリーズの「N-BOX」や「N-VAN」に分がある。普通に考えれば、Nシリーズの中で最もキャンプに向いていなさそうなのはN-ONEだ。なぜホンダはN-ONEのキャンプ仕様を展示したのだろうか。

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    ホンダがイベントで示したスライドによると、「N-ONE」は「パーソナル」と「趣味性」が高い軽自動車という位置づけ。キャンプには向かないのでは…

実はこの展示車、10周年を機にホンダがNシリーズの使い方をTwitterで問いかけたところ、あるユーザーがつぶやいた仕様なのだという。屋根の上のテントも、それを取り付けるルーフキャリアも、ホンダが用意した純正アクセサリーではない。つまり、このN-ONEはユーザーが自身のアイデアで作ったクルマだ。ホンダの人も、「N-BOXやN-VANでの車中泊というのはよく聞くんですが、N-ONEは想定していなかったので、私たちもびっくりしています」と話していた。

  • ホンダ「N-ONE」
  • ホンダ「N-ONE」
  • ちょっとネットで調べてみたところ、ルーフテントは12万円くらいで買えそう。がっちりしたルーフキャリア(右)が数万円したとしても、おそらく20万円以内かちょいオーバーくらいで「N-ONE」をキャンプ仕様にすることが可能なのではないだろうか

ホンダは近く、Nシリーズ販売10周年を記念する特別企画展「N Marche」(エヌマルシェ)をHonda ウエルカムプラザ青山(東京都港区)で開催する。会期は2021年1月15日~2月7日の予定。このイベントではユーザーの声をもとに、さまざまなNシリーズの使い方を展示する計画だ。ホンダの軽の愛用者も、ほかのユーザーによるNシリーズの楽しみ方を見れば何か気づきがあるかもしれない。