ダスキンは9月15日、「親のいま」に関する調査結果を発表した。調査は8月10日〜12日、親世代(別居の子どもがいる60歳以上の男女)、および子世代(60代以上の別居する親がいる20〜69歳の男女)各1,000名を対象に、インターネットで行われた。

  • 自身・親の「老い」について

    自身・親の「老い」について

「老い」について聞いたところ、親世代の85.6%が「自身の老いを感じる」、子世代の85.1%が「親の老いを感じる」と回答。しかしながら、子世代の38.4%が「親の老いに向き合えていない」という。

また、子世代の40.5%が「親の老いを受け止められない」と回答。一方、「自身の老いを受け止められない」親世代は25.4%と、15.1ポイントの差が。本人は老いを受け止めていても、子は親の老いをなかなか受け止められないよう。

  • 親の変化で感じたこと

    親の変化で感じたこと

続いて、子世代に「親の老いを見て見ぬふりをしたことがありますか?」と尋ねたところ、36.0%が「ある」と回答。理由を聞くと、「外出の頻度など気になったことについて直接言うのがはばかられる」(30歳男性)、「背中が丸くなっているのに、親を傷つけそうで指摘してあげられなかった」(37歳女性)など、親のことを気遣っているが故であるよう。

親の変化で感じたことについては、「しわやたるみが増えた」(37.2%)、「白髪が増えた」(32.3%)、「身体が小さくなったように感じた」(29.9%)などの見た目の変化が上位に。一方、「物忘れが多くなった」(24.4%)、「体の不調が増えた」(22.6%)、「食事の量が減った」(18.0%)など、認知や行動に関する変化に気付く子世代は少なかった。

  • 子どもの負担について/お互いに会いたいか

    子どもの負担について/お互いに会いたいか

次に、親世代に「子どもの負担にはなりたくないと思いますか?」と聞いたところ、97.8%が「なりたくない」と回答。一方、子世代の約7割が「親ともっと会いたい」(69.1%)と答えているのに対し、「子どもともっと会いたい」と答えた親世代は52.8%。

そこで、「老後について、親子で真剣に話し合った経験があるか」と問うと、子世代の75.0%、親世代の81.6%が「ない」と回答。理由を聞くと、子世代は「何をどう会話したらよいかわからない」(71.6%)、「親がまだ健康」(69.8%)、「まだ先のこと」(59.8%)が上位に。親世代は「子に迷惑をかけたくない」(90.3%)、「自分はまだ健康」(89.3%)、「子どもに頼ることを想定していない」(85.5%)が上位となり、お互いを気遣う気持ちが老後の話題を避ける要因に。

また、親子のコミュニケーション手段を聞くと、多い順に「直接会う」(60.8%)、「電話」(60.6%)、「『LINE』などのメッセージアプリ」(59.5%)となった。

  • 最近のヒヤリハット体験

    最近のヒヤリハット体験

親世代に最近のヒヤリハット体験を聞いたところ、「物忘れ」(23.1%)、「健康診断の結果が悪かった」(11.8%)、「転倒などのアクシデント」(11.6%)など、親世代のおよそ半数(46.2%)が何らかのヒヤリハット体験をしていることが明らかに。

しかしながら、健康診断の結果や転倒については半数近くが子どもに伝えているものの、「火の消し忘れ」(34.7%)や「鍵の閉め忘れ」(21.8%)は2〜3割しか子どもに連絡しておらず、子どもに余計な心配をかけたくない親が多いよう。

また、親世代の48.4%が「子どもの前で元気なふりをしたことがある」と回答し、子の94.2%が「親はいつまでも元気でいてほしい」と答えていることから、お互いを思いやるが故に、これからの老後について真剣に話ができていない可能性が調査から示唆された。