マイナビは9月12日、「派遣社員の意識・就労実態調査(2022年版)」の結果を発表した。調査は7月8日~13日、派遣社員として勤務する20〜59歳の男女1,400名を対象にインターネットで行われた。

  • 今後の派遣社員の就業意向

    今後の派遣社員の就業意向

今後の就業意向について、「派遣社員として働きたい」人の割合は45.1%(前年比-5.0pt)と、前年より減少。特に「登録型の派遣社員(有期雇用契約)として働きたい」(15.4%)で同5.7ptの減。一方で、前年比で最も増加したのは、「正社員として働きたい」(29.9%)で同+5.8ptとなり、派遣社員の正社員就業意向の高まりがうかがえる結果に。

今後正社員として働きたい理由を聞くと、「賞与(ボーナス)が欲しいから」(65.6%)、「雇用が安定しているから」(58.2%)、「賃金が高いから」(45.6%)が上位に。長引くコロナ禍と物価上昇により、賃金待遇の向上と雇用の安定を求め、派遣社員の正社員就業意向が高まっていると考えられる。

  • 派遣社員を選んだ理由

    派遣社員を選んだ理由

派遣社員を選んだ理由については、「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」(29.1%)が最も高く、前年比増加ポイントも最多の+10.3p。次いで、「家事・育児・介護など、正社員よりワークライフバランスを保てると思ったから」(10.6%)が同+4.9pt、「正社員を希望していたが、自分のスキル・経験で出来る正社員の仕事がなかったから」(16.9%)が同+3.7ptで続き、一方で、前年比で最も減少したのは「働く日数・時間を自分で選べるから」(15.4%)で同-8.3pt、次いで「勤務地を選べるから」(16.9%)で同-8.2ptとなった。

21年は働く日数・時間、勤務地など働き方の自由度の高さから派遣社員が選ばれていたが、22年は正社員就業を希望するも、自分の希望条件や保有スキルと、正社員募集要項とのギャップを埋める妥協点として派遣社員が選ばれている様子がうかがえる。

  • 派遣3年ルール該当時の対応について

    派遣3年ルール該当時の対応について

次に、派遣3年ルール該当時の対応について聞いたところ、「無期雇用派遣となり、同一の企業で派遣就業した」(37.7%)が最も高く、特に「機械・電気・IT・エンジニア」「テレオペ・テレマーケティング」で4割超に。次いで「雇用契約を満了し、別の仕事を探した」が28.7%で続いた。一方で、契約を満了し別の仕事を探した人が多い職種は「販売」「製造」でそれぞれ3割を超えた。

また、無期雇用派遣となった人の6割弱が、該当時の対応は「希望したものだった」と回答。一方で、契約を満了し別の仕事を探した人では、「希望したものだった」が35.6%、「希望したものではなかった」が36.6%と半々となった。