「木彫りの作品」というと、熊や仏像などが真っ先に思い浮かびますが、その固定概念を根底から覆すアート作品がツイッター上に登場し、多くのユーザーを驚かせています。

木は、こうして、こうして、こうすると、透明な氷になります。
 
#木彫り #溶けかけの氷

(@kibori_no_konnoより引用)

  • (@kibori_no_konnoより引用)

ツイートの投稿主は「キボリノコンノ(@kibori_no_konno)」さん。何の変哲もない木の板を切って、削って、塗ることで、なんと半透明の氷が現れたではありませんか……。なんで!?

添付された写真をご覧のとおり、この作品は完全なる木製。しかし、どこをどう見ても、何度目をこすって見てみても、本物の氷が板の上で溶けかけているようにしか見えません。

「切る」「削る」までは理解ができますが、何をどう「塗る」と、このような透明感のある氷を作ることができるのか……。まったく理解が追いつかず、「いや、そうはならんでしょ」と内心ツッコまずにはいられないほど。だって、触ったら絶対に冷たいでしょコレ。

この摩訶不思議な木彫り作品は多くの注目を集め、4.2万件ものいいねを獲得(9月12日時点)。たくさんのコメントも寄せられました。

「塗装も上手すぎて脳がバグる~」

「塗ってる過程が見たい! どういう色塗ればこんな透明感出るの?」

「最近ガラスを描いてる者ですが、これは理解不能です。最高です」

「途中省き過ぎじゃないっすか〜(称賛)」

「なるほど! …分からん( ˙³˙)」

「切る『わかる』 削る『わかる』 塗る『そうはならんやろ』」

また、作品を作るうえでの難しいポイントとして、このようにお話しされていました。

氷の作品で難しいのは、本物の氷は光を通すから全体明るく光ってるように見えて透明さを感じさせるけど、木だとどうしてもそれができなくて不透明感が出てしまうのをどう着色で補うかってところなんです。
(@kibori_no_konnoより引用)

因みに、裏から見るとこんな感じだそう。

違う角度からも見たいという声が多かったので、今回は特別に
(@kibori_no_konnoより引用)

  • (@kibori_no_konnoより引用)

制作者さんに聞いてみた

多くの人を驚かせたこの木彫りの氷。いったいどのように塗れば木の板からこんなにリアルな氷が作り出せるのでしょうか。制作者のキボリノコンノさんに直接話をお聞きしました。

ーーこの氷の素晴らしい透明感はどのように描かれているのでしょうか?

氷の透明感は、まず本物の氷を少し溶かして写真に撮り、その写真通りに見えるように着色していきました。

手順は、
①氷の気泡や半透明に透けている様子を白、グレーの2色の絵の具を使って着色します。
②氷の部分にニスを塗り、ツヤと水が染みた色味を与えます。
③光の反射や部屋の映り込みを白い絵の具で描いて完成
といった感じです。

ーー作品を作るうえで楽しかったところや難しかったところ、気を付けたポイントなどがあれば教えてください。

作っていて難しかったところは、下の土台の木目が透けているように錯覚させるため、土台と氷を一体で彫刻した点です。

また、作る前の段階では、透明に見えるように作れる自信はなかったので、どのように着色したら透明に見えるのかを探りながら完成に近づけていきました。出来上がって写真を撮ったときに透明に見えたときは嬉しかったです。


キボリノコンノさんは他にも多くの木彫り作品を制作されています。作品集はホームページにもまとめられていますので、今回の作品に感銘を受けた方は、ぜひ覗いてみてくださいね!