JR東日本は、次世代の公共交通を支える手段として、気仙沼線BRTの柳津~陸前横山間で自動運転バスを実用化し、12月5日から運転開始すると発表した。

  • BRT専用大型自動運転バスの新デザインイメージ(JR東日本提供)

少子化・高齢化が進み、ドライバー不足がさらに課題となる中、JR東日本は持続的に公共交通を運営していくため、2018年度から自動運転バスの実証実験に取り組んできた。気仙沼線BRTでの自動運転は、運転操縦を司る自動運転システム、障害物を検出する各種センサ、手動運転バスとの安全なすれ違いを実現する交互通行システムなど連携することで実現。安全性に直結する高精度な自車位置推定は磁気マーカにより実現し、専用道での正確な自動運転に寄与するという。

磁気マーカによる自車位置推定技術では、車底部に設置した磁気センサにより、自動運転区間の走路に沿って埋設した磁気マーカの磁力を検知し、自車位置を推定。RFIDタグ付きの磁気マーカを用い、自車位置を高精度に推定する。磁気マーカを用いることで、GNSS(全球測位衛星システム)電波の届かないトンネルを含む専用道上の安全運転も実現する。

  • 磁気を用いて自車位置を推定する磁気マーカシステム(JR東日本提供)

自動運転バスは「先進性」「親しみやすさ」をコンセプトに、新たな車両デザインを採用した。ピクセルドットで未来感、ドットの広がりで先進性を表現し、大きさの異なるドットを組み合わせることで、地域や人々とのつながりを表現。水色のドットカラーは三陸の海、白色のドットカラーは海のきらめき、茶系黄色のドットカラーは沿線の土地や人々を表している。

自動運転バスの実用化に先立ち、自動運転バスの安全性と先進性を多くの人に知ってもらうため、12月1~4日に試乗会を開催。混雑緩和のため事前応募を実施する。9月7日から10月14日まで、「BRT自動運転試乗会」事務局で郵便はがきによる応募を受け付ける。