北大阪急行電鉄は25日、現在工事を進めている南北線延伸線(千里中央~箕面萱野間)の中間駅にあたる箕面船場阪大前駅を報道関係者らに初公開した。あわせて南北線延伸線の開業が2023年度末になることも発表された。
同社は現在、千里中央~江坂間の南北線を運行し、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の地下鉄御堂筋線と相互直通運転を実施している。
南北線延伸線は千里中央駅から北へ約2.5km延伸し、箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅の2駅を新設。整備主体である箕面市と北大阪急行電鉄により、2016年度から工事に着手し、2022年5月末に箕面船場阪大前~千里中央間のトンネルが貫通した。これにより、高架橋やトンネルなどを構築する土木工事は全工事区間でおおむね完了。他の工事も順調に進んでいることから、南北線延伸線の開業時期が2023年度末に決まった。
報道公開された箕面船場阪大前駅は1面2線の地下駅となる。コンセプトは「『繊維のまち』と『新しいまち』その玄関口となる駅」。ホーム階の壁と天井は折り重なった繊維をモチーフとしつつ、モダンなランダム水平ストライプが入る。改札階は自然のあたたかみを感じられる緑やレンガタイルの壁を設置する予定となっている。
ホーム階に降りると、長さ約200m・幅約7mというホームの原型が完成済みであることを確認できた。レールだけでなく、第三軌条方式の北大阪急行電鉄で用いられる、電気が流れるサードレールも設置されていた。一方、本格的な内装工事はまだこれからといった段階で、ここからどのような駅になるか、想像を巡らすことが楽しい状況だった。
ところで、南北線延伸線約2.5kmのうち、トンネル区間は約1.7km、高架区間は約0.8km。トンネル区間でも工法が異なり、千里中央駅から箕面船場阪大前駅の手前まで約1.2kmが円形状の機械を使って掘削するシールドトンネル区間、箕面船場阪大前駅以北は地上から掘削する開削トンネル区間となる。シールドトンネル区間は北大阪急行電鉄、箕面船場阪大前駅も含めた開削トンネル区間と高架区間は北大阪急行電鉄と箕面市が整備する。
北大阪急行電鉄の担当者によると、シールドトンネル区間に関して、千里中央駅周辺は地上建物が多く、地上から掘削することが難しかったという。一方、箕面船場阪大前駅以北は地上から浅く、コスト面などを考慮し、開削トンネルを選択したとのこと。駅構内からは、両トンネルの違いがはっきりと観察できた。
車両に関して、南北線延伸線開業にともない9000形3編成を増備することも発表された。なお、増備車両はあくまでも不足分を補うもので、8000形を置き換える車両ではないとのことだった。