AMR臨床リファレンスセンターは8月23日、「かかりつけ医と薬の処方」に関する調査結果を発表した。同調査は5月18日、全国の20歳以上で、5年以内に病院・診療所・クリニックで診察を受けた601人を対象に、インターネットで実施した。

  • 「かかりつけ医」がいますか

かかりつけ医がいるか尋ねたところ、全体の64.9%が「いる」と回答した。年代別に見ると、50代、60代以上では7割を超えている。30代は51.7%と他の年代に比べ、低い結果となった。

「かかりつけ医」に通う理由について聞くと、「家から近い」(48.7%)、「話を聞いてくれる」(26.9%)、「説明が分かりやすい」(26.4%)が上位に並んだ。年代別では、年代が高いほど「家から近い」ところを選んでいる。20代は「子どもの頃から通っている」、60代以上は「待ち時間が短い」が他の世代より多く、年代によってかかりつけ医に通う理由に差があることがわかった。

  • 「かかりつけ医」に通う理由

過去5年間に抗菌薬(抗生物質)を処方されたことがある人に、抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から抗菌薬(抗生物質)をのみ切ることの説明を受けたことがあるか聞いた。「かかりつけ医」がいると回答した人では、83.1%が「ある」と回答したが、「かかりつけ医」がいないと回答した人は61.4%で、21.7ポイント差が付く結果となった。

  • 抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から抗菌薬(抗生物質)をのみ切ることの説明を受けたことがありますか

抗菌薬(抗生物質)の副作用の説明を受けたことがあるか尋ねたところ、「かかりつけ医」がいると回答した人では47.0%、「かかりつけ医」がいないと回答した人は36.4%が、「聞いたことがある」と回答した。

抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から病原菌の「薬剤耐性」に関する説明を受けたことがあるか聞くと、「かかりつけ医」がいると回答した人の41.6%、「かかりつけ医」がいないと回答した人の23.9%が「聞いたことがある」と回答した。

今回の調査では、「かかりつけ医」がいる人の方が抗菌薬(抗生物質)の正しいのみ方や、副作用、「薬剤耐性」について、医師や薬剤師から説明を受け、関心を持っている人が多いことがわかった。

医師からのみ切るよう指示されたにも関わらず、薬の服用を途中でやめてのみ切らなかった経験があるか聞くと、37.9%が「ある」と答えた。「ある」と回答した人は、20代では55.8%、30代では46.7%、40代では32.5%で、若い世代ほど、医師や薬剤師の指示を守っていない傾向があった。

  • 医師からのみ切るよう指示されたにも関わらず、薬の服用を途中でやめてのみ切らなかった経験がありますか

処方された薬を、似た症状が出ているなどの理由で、人にあげたことがあるか尋ねた。その結果、「あげたことがある」、「あげたことはないが可能性はある」と回答した人は若い世代ほど多く、60代以上の計11.7%に対し、20代では計35.0%だった。

  • 処方された薬を、似た症状が出ているなどの理由で、人にあげたことがありますか

処方された薬を「あげたことがある」、「あげたことはないが可能性はある」と回答した人に、その対象者を聞くと、最も多い回答は「家族(成人)」(88.7%)で、「家族(子ども)」(45.2%)が続いた。