• 『戦国鍋TV』に出演していた村井良大(左)と相葉裕樹 撮影:友野雄

当時、アイドルやイケメン俳優たちが戦国武将に扮するといった演出は、コミックやライトノベル内でしか見かけられなかった。だがその後、CMで木村拓哉が織田信長の生まれ変わりをやったり、松田翔太が桃太郎を演じたりするなど、今では当然の光景となっており、「もしかしたらそのアイデアの走りは『戦国鍋』かもしれません(笑)」と語る。

『戦国鍋TV』はサブカル勢たちにも支えられ、ついには地上波を含め27局で放送されるまでにヒット。この大きな要因は、女性に支持されたことだ。「僕たちは女性ファンは意識していなかった。あくまでも“お笑い”を追求していたつもりでした。その狙ってない感じが良かったんですかね」と振り返る。

また当時は、コンテンツ作品の収益面において、DVDやグッズ販売などが主流の時代。「地上波、特にゴールデンですと、広い層に刺さる内容でなければならない。放送局がU局(=独立局)で内容もニッチだったこともあり、DVDやグッズ販売を狙っていたのですが、これも大成功。時代も良かったんでしょうね…。現在、コンテンツ作品の多くはVODなどサブスクで配信されることが多いですよね。DVDからサブスクへ。収益のあり方も変化しましたね」

■時代の変化も「創意工夫して魅せられている」

自由にやれていた『戦国鍋TV』の時代と違って、コンプライアンスなどテレビ制作がやりづらくなっている昨今だが、「あれこれ言われることもありますが、それでもテレビマンたちは創意工夫して魅せられていると思います」と分析。

「『戦国鍋』にしても、あの頃、自分も若かったし制限もありませんでしたからイケイケ。(放送)作家の酒井健作くんやオークラくんも若かったので、皆でネタをぶち込みまくって好き勝手遊んでいました(笑)。『新・信長公記』も若いスタッフならではの良さを感じますね。『戦国鍋』と違って、俳優さんたちの素の良さも生かせていると思います。しかもドラマでも“エンタメ”に振り切っている。エンタメで戦い、シンプルに面白いものを届けようとする今の若手の活躍を僕自身も応援しています」とエールを送りながら、「あと『戦国鍋TV』を見てください(笑)」とアピールした。