女優の板谷由夏が、日本テレビ系ドラマ『家庭教師のトラコ』(毎週水曜22:00~)の見どころなどを語った。

  • 板谷由夏=日本テレビ提供

きょう17日に放送される第5話では、シングルマザー・智代(板谷)が胃ガンを患っていると知ったトラコ(橋本愛)が、中学受験を目指す小6の息子・高志(阿久津慶人)が大学を卒業するまでに必要な金額を洗い出し、智代に4,630万円を残す方法を考えさせる。

一方で高志には、母・智代にもしものことがあった場合の3つの選択肢を示すトラコ。互いに対する想いがかみ合わずぶつかってしまう中、智代がお金を手に入れるために選んだ最後の手段とは。そしてトラコの「命」に関する課外授業で、高志が最後に考えたこととは。胃がんが発覚し、「もう、こうするしかないんです」思いつめた智代に、トラコがまさかの行動に出る。

板谷のコメントは、以下の通り。

――2話では高志の問題が解決され、5話では智代の問題へと移ります。親子で番組をご覧になっている方も多いですが、ドラマに対する周りの反響はいかがですか?現場の雰囲気も教えてください。

「ちょっと異色だけど面白い!」と言われますね。家族を扱うという意味ではシンプルで私はこの作品すごい好きです。うちも主人が2話を見て泣いていましたけど、その横を見たら次男も泣いていました。なんか私だけ置いてきぼりみたいな・・・(笑)

現場はすごく楽しいですね。高志の成長も、演じる阿久津くんの役者としての成長も見られますし。大人と違って、子供は「純粋で真っ新なところ」で芝居のキャッチボールができるので。愛ちゃんはテクニックをもっていらっしゃるので面白い芝居ができるし、定食屋「万福亭」のシーン大好きです。

ただ、智代はテンションがすごく高いので、エネルギーは使いますし、お腹が減るので、芝居が終わったあとは“アスリート”みたいな気分でおにぎりとか食べたくなってきます(笑)

――智代を演じるにあたって、どのようなことを心がけてお芝居されていますか?

こんな張っちゃけた役は珍しいですね。“違う自分を引き出してくださるような役”を遊川さんがくださるのですごくやりがいがあります。智代については「洗練されていないガサツなおばちゃんです」と言われたのですが、本読みの時も「もっとおばちゃんで!」と言われたりして、“挑戦状”を遊川さんから頂いている感じですね。

役作りでは、物質的な面では早めに衣装を持ち帰って着倒したりはしますけど、息子のことが一番で、彼を愛すること、彼を守ることを根底に、自分の貧乏な人生とすり合わせながら生きていくことを軸にしています。あとは遊川さんの本に任せている感じです。

――以前の取材で、「台本を読んで、母を思い出しました」とありましたが、なぜでしょうか?

遊川さんの本は、過去の作品でも、「自らの家族のことが組みこまれているのでは」と思っているのですが、今回も、遊川さんの実際のお母さんか?お母さん像に対する思いなのか?どちらもあるかと思いますが、それがテーマなのではと思います。本を読んで自分の母を考えたし、自分の息子たちにとっての母親としての自分も考えました。「やっぱりお母さんだよね」の事柄があふれている本だと思います。

――対峙(たいじ)するトラコは、「家庭の教師」でもありますがどのようにご覧になっていますか?

ここまで撮ってきて、だんだん自分の下山家のことより、トラコが抱えているお母さんとの問題のことのほうが気になってます。トラコは母親に対するコンプレックスがきっとあるので、そこに私たち母親がどう絡んでいくのか。お母さんを拒絶しているのに、お母さんたちを求めているという愛情部分がどうなっていくのかに興味があります。

――お金を子供に残す方法というのが5話のテーマですが、最後にみどころを教えてください。

5話は私も高志もやり切った感があります。高志もすごくいい芝居してくれたし、受け側の私も、すごい感情移入ができたので5話は泣けるんじゃないかな。

みどころは、母・智代の“奮闘ぶり”と“勘違いぶり”ですかね。(息子の)高志のためを思って4,630万円を残そうと思いながらも、結局は悲劇のヒロインのような自分勝手な考えも持っている。それをトラコに正されるので、親としては痛いですね。「自分にもそういうところがきっとあるだろうな」と思ったりしたので、追い詰められた智代の気持ちはすごくわかります。