皆さん、「老後2,000万円問題」という言葉を知っていますか。

「まだ20代だし老後についてゆっくり考えればいいか」「年金や退職金もあるから2,000万円なら準備出来そう」と思っていませんか。

今回は「そもそも退職金がもらえない」「どのくらい年金が支給されるかわからない」といった方にも『老後のためにいくら必要で、どんな準備をすべきなのか?』『具体的に今、何から考え始めればよいのか?』について、Japan Asset Managementの恒次がわかりやすく解説していきます!

退職金や、20~30代のうちから資産運用が必要である理由についてはこちらをご参照ください!

■老後2,000万円問題の罠

【そもそも老後2,000万問題とは】

老後2,000万円問題とは、金融庁・金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書が発端となり話題となったテーマですが、「2017年時点に夫婦のみの無職世帯が国民年金だけで老後20~30年を暮らす上で、平均収入から平均支出を引くと毎月5.5万円(=30年間で2,000万円)不足する」というもので、若者世代に大きな衝撃を与えました。この報告書が公開された2019年にはニュースでも大きな話題を呼んだので、「すでに知っている」「老後の為に少しずつ貯金している」という方もいるのではないでしょうか。

ただ、「老後に足りなくなる2,000万円を、今から蓄えておく必要がある」と解釈している人がいるとしたら、それは誤りです。この報告書で算出されている2,000万円はあくまで「モデルケース(平均値)」なので、働いて収入がある場合や夫婦ではなく独り身の場合だと不足する金額は大きく異なるのです。

【2,000万円問題とはあくまで現在65歳の人の問題】

そして20~30代の皆さんに特に気を付けていただきたいのが、この報告書は「2017年時点で65歳の方」のケースを基に算出されているという点です。では、今の20~30代が老後を迎える頃にも、不足するのは本当に「2,000万円」なのでしょうか。

【実際、今25歳の人が65歳になるときには?「7,000万円問題?!」】

疑問【1】40年後も今と同じ金額が受け取れるだろうか?
→少子化の影響で受給額が減少している可能性がある

  • (出典)日本年金寄稿/令和4年4月分からの年金額等について

  • 図1-2「70年前と70年後の人口ピラミッドの推移」(出典)統計ダッシュボード

疑問【2】40年後も今と同じ支出額で生活できるだろうか?
→物価上昇により、将来支出額が増加する可能性がある

  • 図2「40年間の都市部の消費者物価指数の推移」(出典)総務省統計局/小売物価統計調査、内閣府/年次経済財政報告、日本銀行/ホームページ

疑問【3】40年後も今と同じ30年間の備えがあれば大丈夫だろうか?
→平均寿命が伸び、30年以上の備えが必要になる可能性がある

  • 図3「65歳が特定の年齢まで生存する確率の推移」(出典)厚生労働省/第5回社会保障審議会年金部会「資料1」p5-6

以上を加味して、現在25歳の方が仮に100歳(65歳時点で無職のモデルケースを想定して計算)まで生きるとすると、なんと2,000万円どころか老後までに7,000万円が不足してしまう……という可能性があるのです。

  • 図4「新老後7,000万円問題?!」

■資産運用入門編「種まき期」の最適な運用方法とは?

【人生を3つの時期に分けて資産形成を考える】

資産運用を始める、と一言にいっても「年齢」や「収入」、その時々の「ライフイベント」によって考え方が異なります。ですので、今回は、一般的な考え方のなかでも特に重要な「種まき期」についてご紹介します。

  • 図5「資産形成を考える3つの時期」

ここで多くの方は「じゃあ、何に投資して、どう運用を始めたらよいのか。」頭を抱えるのではないでしょうか。具体的な商品を選ぶ前に、まずは金融商品の特徴や優先順位の高いお金の投資先を押さえていきましょう。

【「種まき期」資産運用の仕組みづくりは○○で!】

金融商品を選ぶ3つのポイント
1.「流動性」いつでも引き出せる!
2.「安全性」資産を減らしたくない!
3「収益性」資産を増やしたい!

  • 図6「金融商品の3つの特徴」

優先順位の高いお金の投資先
「生命保険」
同じ補償内容でも、年齢によって保険料が変わる唯一の商品(必要な備えは、保険料が比較的安い若いうちから始めよう!)
「積立投資」
余裕資金で行う(資産運用の仕組みづくりを目標に、まずはここから考えよう!)

まずは自身の収支を把握した上で、ズバリ25~45歳の「種まき期」には、「積立投資」で資産運用の仕組みづくりをし、それをコツコツと長く続けるのがベストといえます!

【積立投資の3つのメリットを活用する!】

積立投資をするメリットは大きく3つに分けられます。

  • 図7「積立投資の3つのメリット」

さらには、こうした積立投資を行うことで自然と「分散」をするメリットも享受できるのです。

  • 図8「積立投資で得られる分散メリット」

■「積立投資」で仕組みを作る、資産運用の始め方

【プロのアドバイザーに相談するという選択肢(相談事例)】

とは言っても、「投資期間」「年間キャッシュフロー(収入-支出)」「投資意向(リスク許容度)」「金融資産」など、仕組み作りを考える際の材料は山ほどあるため、一から投資の仕組みづくりをしていくのってなかなか大変ですよね。

例えば、 「生命保険」といっても、どこの会社でどんな保障があるものが自分に合っているのか… 「積立投資」で積み立てNISAを始めるとしても、どこで口座を開いてどの商品を買えばいいのか…。

実際「投資をしなきゃいけないのはわかっているけど、どこを見て何を選べばいいのかわからないから手が付けられない」という人が多いのではないでしょうか。このように1人1人の状況によって、資産運用の仕組み作りも大きく異なってくるので、「自分だけで判断するのは不安だ」という場合は、「IFA(=独立系金融アドバイザー)」に相談をするというのも1つの方法です。具体的な投資先を検討している方はぜひ、Japan Asset Managementまでご相談くださいね。

  • 図9「資産運用の仕組みづくりをする3つの選択肢」

さて、ここまで「老後2,000万円問題」を題材に、実際20~30代の自分には老後にどのくらいの蓄えが必要で、どのように備えていくべきなのか解説していきました。

時間はお金を出しても買うことができないプライスレスな財産です。20代のうちから計画的に積立投資を行うのと、まったくしないのとでは、将来大きな違いが生まれます。思い出や経験にお金をかけることは大事なことで、私も今20代なので、そこにお金を惜しみたくない気持ちはよく分かります。ただ、きちんと自分の収支を把握して、月に5,000円、1万円でも、今から始めてコツコツ積み重ねていくことで将来の豊かな暮らしの選択肢を広げる力が「投資」にはあります。

20代のうちから「投資」を強い味方につけて今しかない20代を、そしてあなただけのかけがえのない人生を思う存分、楽しみましょう!