10代のうちにやっておきたい役柄について聞くと「制服が着られるうちに着ておいたほうがいいよと言われましたが、そこも叶いましたし、私は顔が童顔なタイプなので、これからも制服を着ていける自信はあります。でも、今年20歳になると言うと、周りからも『そんなに大きくなったんだ!』と驚かれることが多いので、お世話になった方とまた現場でお会いして、いろいろお話ができるようになればいいなと思っています」と語った。

すでに15年のキャリアを誇るが、これまで仕事を休みたいと思ったことは一度もないそうだ。「それはきっと私はこの仕事以外、ポンコツ過ぎて何もできないからではないかと。楽器も弾けないし、運動も特別できるわけでもないし、頭もたいして良くないです。やれることといえばこの仕事しかなかったので、私は小学生時代から『私は大学に行きません。もうこの仕事でやっていきたいから、余計な勉強はしません』と親に宣言していたくらいです」

つまり子役時代から、この道ひと筋で来たということか。まさに女優になるべくしてなったという感じだが、それを伝えると「アハハハ」と照れ笑いする。

桜田は才能に恵まれ、着実にステップアップしてきたように思えるが、彼女は決してそうではないと言う。「『演技ができるのは才能だね』と言われることもありますが『いやいや』と思っちゃう部分があります。才能だけでのし上がれるような世界ではないと思っているし、人それぞれ、努力をしていて、頑張らなきゃいけない部分は頑張ってやっていると思うので」

そして、「私は5歳から始め、何百というオーディションを受け、数え切れないくらい落ちてきました。そんななかで、休める日を見つけてはレッスンに通い、演技をやってというのを繰り返してきたので、そこが自分にとって芯になっている部分だなとも思っています。だから努力してきたと胸を張って言えます。また、そういう自分の強みが1つあるだけで、私はこの世界にいられて幸せ者だなとも思えます」

しっかりと地に足をつけて、演技の道を探究し続けている桜田ひよりのさらなる活躍に期待したい。

■桜田ひより
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。女優。連続ドラマ『明日、ママがいない』(14)で注目され、以降数多くのドラマや映画に出演。2017年にドラマ『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』で初主演し、同作の映画版でも主演を務める。劇場アニメ『薄暮』(19)では声優初挑戦ながら主演に抜擢。近作のドラマは『卒業タイムリミット』(22)や『彼女、お借りします』(22)など。近作の映画は『未来へのかたち』(21)や『ショコラの魔法』(21)、『おそ松さん』(22)など。

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