ラクスは8月2日、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)及び、改正・電子帳簿保存法(電子帳簿保存法)に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は6月22日~27日、全国の経理担当者848人を対象に、インターネットで実施した。

  • 「インボイス制度を知らない」と約4割が回答し、認知度が2022年3月から変化無し

適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)は、2023年10月開始。改正・電子帳簿保存法(以下、電子帳簿保存法)は2022年1月に施行されている。

インボイス制度について知っているか尋ねたところ、19.3%が「名称は知っているが、どのような内容か知らない」、18.0%が「名称も内容も知らない」と回答し、合わせると37.3%がインボイス制度を知らないことがわかった。2022年3月の同調査においても同様の回答割合が37.1%となり、横ばいの状態になっている。

2023年10月のインボイス制度開始から登録を受けるためには、2023年3月末までに適格請求書発行事業者登録申請を行う必要がある。そこで、適格請求書発行事業者登録について、今の会社の状況に該当するものを答えてもらったところ、「既に登録している」は38.4%で、61.6%はまだ登録していないことがわかった。

  • 適格請求書発行事業者登録について、会社の状況緒に当てはまるもの

現在の取引先が適格請求書発行事業者登録をしていない場合、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の適用後の取引について、会社ではどのような方針になると思うか尋ねると、「取引を継続しない」が7.0%。「継続するか検討する」が55.7%だった。

  • 現在の取引先が適格請求書発行事業者登録をしていない場合、インボイス制度の適用後の取引について、会社ではどのような方針になると思うか

2022年1月に施行されたの改正・電子帳簿保存法について、会社の状況に該当するものを答えてもらったところ、「運用している」は23.3%で、76.7%は運用できていないことがわかった。

  • 改正・電子帳簿保存法について、会社の状況に該当するもの

従業員規模ごとに見てみると、従業員規模300~1,999人の企業のうち、「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答した割合は32.0%だった。しかし、従業員規模30~299人の企業の同回答割合は18.9%で、中小企業の対応遅れが顕在化してきていることがわかった。

  • (従業員別)電子帳簿保存法に則って運用していると回答した割合

電子取引関係書類の保存方法に対して最も多い回答は、「猶予期間がもうけられたので、電子で受け取った請求書を、従来通り紙に印刷し保存している」(31.6%)だった。6.3%は「取引先に紙での請求書発行に切り替えてもらい、紙の請求書を保存している」と答えている。

  • 電子取引関係書類の保存方法について

2023年10月にインボイス制度が開始し、その直後の2023年12月末に電子帳簿保存法の「電子取引データ保存の義務化」の猶予期間が終了し、全企業の対応が必須となる。

すでに「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答した企業はどのように対応しているのか尋ねると、47.0%が「既に電子帳簿保存対応可能なシステムを導入済みで、当システムで電子保存を行っている」と答えた。

  • メール添付や電子請求書等の請求書を受け取っている場合、どのようにこれらの電子取引関係書類を保存しているか