フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、認知症や統合失調症などの患者を預かる介護施設に密着した『ありのままでいいじゃない ~いしいさん家の人々~前編』を31日に放送する。

  • 「いしいさん家」を運営する石井英寿さん(左)=フジテレビ提供

千葉県にある「いしいさん家」は、暴言を吐こうと、暴れようと、どんな人間でも受け入れる介護施設。暴力・暴言といった問題行動を理由に、他の施設から“お断り”された人たちが集まっている。自宅での介護も難しいため、家族にとっては“駆け込み寺的存在”だ。

一風変わったこの施設を運営するのは石井英寿さん(47)。既存の介護施設のありかたに疑問を感じ、「誰もがありのままに過ごせる場所を」という理想を掲げ、16年前に立ち上げた。

そんな施設には個性的な面々が。認知症の女性(73)の口癖は「バカ野郎」。何が気に入らないのかいつも不機嫌で、スタッフを叩いたり、引っかいたりと問題行動が止まらない。統合失調症の男性(46)は、人に話を聞いてもらえないとストレスを溜めてしまうという特性の持ち主。そのストレスが頂点に達すると、感情を抑えきれず、怒りを爆発させる。そんな“ワケありな人々”に対しても、石井さんとスタッフはユーモアあふれる接し方で介護してきた。

だがある日、ふとしたことがきっかけで、男性が“事件”を起こす。他の人々の問題行動も激しさを増し、スタッフから不満の声が上がり始め、とうとう施設は危機的状況に追い込まれていく。「どんな人でも受け入れる」という理想は崩れてしまうのか…。

社会に居場所をなくした人々と、彼らを懸命に支える人々の1年を、女優・森川葵のナレーションで追っていく。

(C)フジテレビ