番組終盤では、みずきさんが関係を絶っている母の思いに触れる場面が登場する。岡田は、どんな気持ちで見つめたのか。
「私自身、両親が離婚しているので、親との思い出って触れたいようで触れたくない瞬間というのがあるんですよ。周りを見渡して、友達にも親が離婚している人はいっぱいいるから、傷ついたというのは一切ないんですけど、過去に触れるというのは、フタをしていたものを開けるような感覚にすごく似てるなと思って。私の場合、父からの手紙とか、一緒に出かけたときに買ったものとかを見ると、やっぱりグッとくるものがあるんですよね。だから、先ほど話したキャリーケースも、家族のものだから捨てられないというのがあったんです」
それを踏まえ、今回の番組について、「もちろん普通の家庭の方にも見てもらいたいですけど、両親の離婚を経験している子どもや、ちょっと何かにフタをしている思いがある方にもぜひ見ていただきたいです。みずきさんのような生き方もあるし、豊かな人生の一部なんだということが伝わればいいなと思います」と呼びかけ、「たぶんうちの母は見たら確実に号泣すると思います(笑)」と想像した。
■「こんなに疲れたナレーションは初めてです」
今回の『ザ・ノンフィクション』ナレーションのオファーに、「スケジュールに書いてあっても、何かのパロディーかと思って(笑)。実感がわいたのは収録ブースに入ったときでした」という岡田。「人の人生に乗っかって自分の声を出すというのは、読めば読むほどプレッシャーだなと思い、こんなに疲れたナレーションは初めてです」と役割の重さを感じながら、声を吹き込んだ。
また、「読むことに必死になると、感情を乗せるのが疎かになってしまいますし、普通のお芝居やバラエティと違って、読んでる人の顔が見えないからこそ、もうひと段階難しいなと思いました。すごくやりがいがあって、いい経験になりました」と、充実の表情を見せていた。
●岡田結実
女優・タレント。2000年4月15日生まれ、大阪府出身22歳。1歳で子役モデルデビュー。これまでバラエティ、ドラマ、映画へ出演しマルチに活躍中。2021年後期NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』へ出演を果たした。テレビ朝日『女子高生の無駄づかい』、日本テレビ系・読売テレビ『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』で主演を務め、東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ『准教授 ・高槻彰良の推察』ではヒロインを演じた。現在、ABCテレビ『newsおかえり』、フジテレビ『逮捕の瞬間!警察24時』のMCを含め、計5本のレギュラー番組に出演中。