国土交通省が2021(令和3)年度における都市鉄道の混雑率調査結果を公表。福岡県内を走る西鉄貝塚線が、東京都内を走る日暮里・舎人ライナー(2021年度の混雑率144%)に次いで混雑率の高い路線となり、名島駅から貝塚駅までの区間で混雑率140%を記録した。

  • 西鉄貝塚線の車両600形。2両固定編成で運転される

西鉄貝塚線は貝塚~西鉄新宮間を結び、貝塚駅で福岡市地下鉄箱崎線と接続するほか、千早駅でJR鹿児島本線、和白駅でJR香椎線に乗換え可能。かつての路線名は「宮地岳線」だったが、2007(平成19)年に西鉄新宮~津屋崎間が廃止され、これにともない路線名を「貝塚線」に変更した経緯がある。以前は3両固定編成もあったが、ラッシュ時の混雑率低下を理由に廃止されたとのこと。現在は2両固定編成の600形により運転されている。

コロナ禍前の2019年度、貝塚線の混雑率は158%となっており、この時点で福岡市内へ向かう路線の中でも最も高い混雑率となっていた。2020年度、コロナ禍の影響で混雑率が大幅に低下する中、貝塚線の混雑率は129%とされ、全国的に見ても高い水準に。2021年度、貝塚線の混雑率はさらに上がって140%。日暮里・舎人ライナーに次ぐ全国ワースト2位の混雑率となった。

その他、福岡市中心部(天神エリア)へ向かう路線の2021年度の混雑率は、福岡市地下鉄空港線・箱崎線が116%、西鉄天神大牟田線が113%、福岡市地下鉄七隈線が103%。博多駅へ向かうJR九州の路線はいずれも混雑率90%未満で、西鉄貝塚線と並行する鹿児島本線香椎~博多間の混雑率は快速81%・普通87%とされている。なお、JR九州は鹿児島本線千早~箱崎間で新駅設置を計画しており、開業目標は2025年度。福岡市による貝塚駅周辺土地区画整理事業と連携を図りつつ、新駅設置に向けた具体的な準備を進めるとしている。